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「天動編はベストなコンテンツだった」 『FFXIV』アレキ天動編零式ワールドファーストFC“ANGERED”のメンバーを取材!

ファミ通.com 10/19(水) 21:17配信

文・取材・撮影:編集部 オポネ菊池

●まずはレイドレースの歴史から
 アメリカ・ラスベガスにて、2016年10月14日から10月15日(現地時間)にかけて開催された、『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の大規模ファンフェスティバル“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2016 Las Vegas”。この会場で、『FFXIV』の最難関レイドである機工城アレキサンダー零式:天動編を世界最速でクリアーしたフリーカンパニー“ANGERED”のメンバーを目撃! インタビューを敢行した。

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 『FFXIV』では、『新生エオルゼア』のリリースと同時に、8人用の高難度レイドコンテンツを実装している。『新生エオルゼア』(2.Xシリーズ)では大迷宮バハムート、『蒼天のイシュガルド』(3.Xシリーズ)では機工城アレキサンダーと呼ばれるもので、レイドが実装される通称“偶数パッチ”では、世界中の猛者たちが世界最速クリアーを目指してしのぎを削る。

 こうした争いはレイドレースとも呼ばれ、各グループのクリアー状況がネット上を駆け巡り、ちょっとした騒ぎになる。そして、見事最速でクリアーしたグループは“ワールドファースト”として讃えられ、ともにレースを戦い合ったグループどうしでエールの交換が行われたりもする。ちなみに、ワールドファーストは実質自己申告なうえ、世界一になったとしても公式な認定や報酬があるわけでもない。すべては不文律で、自分たちのチームのプライドをかけた戦いにすぎないのだ。

以下がこれまでの戦いの歴史。

大迷宮バハムート

・邂逅編 World 1st. Order of the Blue Garter
もはや伝説になっている邂逅編クリアー動画。

・侵攻編 World 1st. Order of the Blue Garter
侵攻編もOrder of the Blue Garterがワールドファースト。超絶難度だった侵攻編に苦しめられた人も多いはず。

・侵攻編(零式) World 1st. Lucrezia
実験的に導入された“零式”では、日本のFCであるLucreziaがワールドファーストに。

・真成編 World 1st. Lucrezia
零式で勢いをつけたLucreziaが真成編でもワールドファーストを獲得した。

機工城アレキサンダー零式

・起動編 World 1st. Elysium
3層以降のDPSチェックがかなりきびしく設定されていた起動編。日本のLucreziaも善戦したが、Elysiumがワールドファーストに。

・律動編 World 1st. Elysium
DPSチェックがゆるくなった代わりにギミックがよりハードになった律動編。起動編に続き、Elysiumがワールドファースト。

・天動編 World 1st. ANGERED
ヨーロッパ勢のANGEREDがワールドファースト。わずか2日間で踏破してみせた。

 こうした強豪たちの攻略に対する方針だが、リージョンによって傾向が異なる。一概に言えるわけではないが、日本のチームの多くは、まず固定の8人を募り、そのメンバーのまま最終踏破を目指す。一方、北米や欧州では、複数の攻略チームでコンテンツにアタックし、適正や装備の状況によってメンバーを入れ替えつつ、最終踏破を目指していく。一見、日本は個人主義で北米や欧州は全体(組織)主義に思えるが、これは若干誤解があるようだ。この後のインタビューに注目してもらいたい。

●ANGEREDのメンバーを直撃!
 さて、前置きが長くなってしまったが、今回のラスベガスでのファンフェスで、天動編零式でワールドファーストを獲得したANGEREDのメンバーと話をする機会に恵まれた。短い時間ではあったが、今回のレイドレースについて話を聞いたので、そちらをお届けしよう。

──今回の天動編零式は楽しめましたか?

Evi Sama(以下、Evi) とても楽しかったよ。起動編ではなかなか前に進めず、フラストレーションが溜まることがあった。それは、自分のスキルのせいではなく、装備(DPSチェックやHPチェック)が原因でクリアーできないことがあったからだ。すべて完璧にこなしたとしてもクリアーできなかったので、それは不満が残った。今回の天動編は、スキルやコミュニケーション、連携が密接に関係していて、単に装備やHP、DPSが足りているかではなく、ギミックを正確にこなすことが重要だった。その点で言えば、やりやすく、ベストなコンテンツだと言えるね。

──難度については、これまでのレイドでもっとも簡単と言われていますが、それについてはどう思いますか?

Evi 起動編と比べると、今回は少し易しかったかもしれないね。ただ、確実に言えるのは、大迷宮バハムート:真成編と比べると、ギミックの面では天動編零式のほうがずっと難しかった。もちろん、それはあくまで比較の話だよ。日本のLucreziaがバハムート・プライムを倒すのに5日かかったのは、みんな覚えていると思う。今回、僕たちは2日間で踏破することができて、以前よりも簡単だったという人もいるけど、それなら実際に自分たちですべてのギミックを解いてみてほしい。DPSチェックはゆるかったとはいえ、僕たちが達成したことは認められるべきなんだ。僕たち(レイドレース上位陣も含む)が2日で踏破したからといって、それを「簡単」と言うのは正しいとは思わないよ。

──クリアーまでの2日間、寝ずにぶっ通しでプレイしたのですか?

Evi もちろん寝ているよ(笑)。できるだけ長い時間アタックするようにしたけど、10時間もすると集中力が落ちてくる。ギミックに集中しないといけないコンテンツではミスは許されないし、もしミスすればワイプ(最初からやり直し)だからね。集中力は絶対に必要。だから、10時間ほどプレイしたら休憩して、食事をとり、寝る。プレイをいたずらに続けたって、集中力が落ちてしまっていては時間のムダ。それなら寝たほうがいいんだ。そして、集中力を高めてから大一番に臨む。

──ANGEREDの運営上のポリシーやモットーはありますか?

Evi 取り立ててないんだけど、パッチごとにパーティメンバーを変えるようにはしている。べつに人の入れ替わりが多いというわけではなく、メンバーのスキルによってパーティのメンバーを変えるからだ。だけど、それ以前に、態度やゲームに対する考えかた、集中できるかどうかは気を払う。自分たちのFCでは、ほかのメンバーに接する態度やどのように扱うかはとても重要なんだ。以前、プレイは非常に優れたレイドリーダーがいたが、態度が悪かったためメンバーから外さなくてはいけなかった。とてもいいプレイヤーだったとしても仕方がないことなんだ。

──メンバーの構成を教えてもらえますか。

Evi イタリア、ドイツ、イギリスの全員ヨーロッパ出身だね。僕もイタリア人だ。

──関係者から聞いた話では、ヨーロッパには強豪がたくさんいて、欧州にデータセンターさえできれば(2015年9月に欧州に開設)ワールドファーストが取れるだろうとのことでしたが、それについては?

Evi 欧州データセンターの開設は本当に大きいね。「まともにプレイできないほど」なんて言う人もいたけど、実際はそれほどひどくはなかったよ。ただ、レイドのようなシビアなコンテンツでは、回避したつもりが回避できていないことがあって、それが致命的だった。

──日本のFCは今回負けてしまいましたが、彼らについてはどう思っていますか?

Evi すべてを知っているわけではないので個人的な意見になるけど、Lucreziaはこれまで見た中でベストなグループのひとつだと思っている。バハムート・プライムを倒した後も、装備の制限をみずからに課したり、タイムアタックに挑戦するなど、すばらしいプレイを見せてくれた。日本のグループはとてもうまいと思うよ。何より、日本のグループはチームとしての連携がすばらしい。

──イメージ的には欧米のほうがグループとしての連携が優れているような気がしますが。

Evi ヨーロッパやアメリカでは、パーティ全体よりも個人的な能力、DPSが重要視されるんだ。でも、僕たちは今回はそうしなかった。なぜなら、グループでプレイすることの重要性を過去のパッチで学んできたからなんだ。

──最後になりましたが、ワールドファーストおめでとうございました!

Evi ありがとう!


 もっと詳しく話を聞きたかったが、彼の貴重なファンフェスの時間をこれ以上奪うことはできなかったので、インタビューはここまで。今回の取材で興味深かったのは、やはりグループとしての考えかただ。欧米は一見すると組織主義にも思えるが、チームメンバーの選出は個々の能力重視という、超個人主義の集団であったということ。目的こそ共有しているが、その目的の達成のためには、シビアな判断があるわけだ。勝利のために自分の席を譲るのもひとつの手段、といった感じか。その点、日本のチームは固定のメンバーで最後まで目的を達成しようとするため、よほど組織主義という見えかたになる。

 機工城アレキサンダーシリーズはANGEREDの勝利でレイドレースは終了し、つぎなる拡張パッケージ『紅蓮のリベレーター』での高難度レイドの発表はこれから。つぎのレイドでもANGEREDが勝ち続けるのか、Elysiumが巻き返すのか、はたまた日本のレイド勢が意地を見せるのか。今後も注目していきたい。

最終更新:10/19(水) 21:17

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