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Samsung、10nm SoCの量産を2016年内にも開始か

EE Times Japan 10/19(水) 18:45配信

■2016年内にも量産開始か

 スマートフォン「Galaxy Note 7」の回収で揺らぐSamsung Electronics(サムスン電子)は、2016年のファウンドリー事業の停滞を見込んでいる。そうした中、同社が10nm FinFETプロセスで製造するSoC(System on Chip)の量産体制を整えていることが明らかになった。ファウンドリー事業でのライバルであるTSMCやIntelに打ち勝つことを狙う。

【10nm/7nmウエハー市場予測】

 Samsungのファウンドリー部門において、マーケティングおよびビジネス開発のシニアバイスプレジデントを務めるHong Hao氏は「2016年内にも量産を開始する予定だ。当社は10nmチップを出荷する最初のメーカーとなるだろう」と話している。

 Samsungのプレスリリースによると、「10LPE」と呼ばれるプロセスでは、トリプルパターニングを用いることで、14nmプロセスに比べて面積が30%縮小された他、チップ性能は27%向上し、消費電力は40%低くなった。10nmチップを用いた初めてのデバイスは2017年初めにお目見えする予定だ。その後、Samsungは同年末ごろには改良版の「10LPP」を後続プロセスとして発表するという。

 Samsungは14nmプロセスでも同様の方法を取った。つまり、第1世代のFinFETプロセスをいち早く市場に投入し、その後最適化されたバージョンを発表している。

 同社によると、10nmノードのプロセスおよびIP(Intellectual Property)設計キットは既に入手可能だという。Samsungは2016年1月に開催された技術会議で、10nm SRAMセルについて説明していた。

 Samsungは、TSMCやGLOBALFOUNDRIESが計画しているような液浸リソグラフィを使った7nmプロセスはスキップすることも明らかにした。Samsungは、7nmプロセスにはEUV(極端紫外線)リソグラフィを採用するとしている。EUVリソグラフィシステムが量産対応可能になるのは2019年ごろとみられているが、Samsungはその1年前となる2018年後半には、EUVリソグラフィを用いた7nmプロセスでの製造を始めたいとする意向を示している。

 IC Insightsでシニアアナリストを務めるRob Lineback氏は、「Samsungの7nmプロセス開発計画は、興味深くもあり驚きでもある。数年後に7nmプロセスを導入すると言及しているIntelですら、液浸リソグラフィを使う予定だからだ」と述べている。

■AppleのプロセッサはほとんどがTSMC製?

 IC Insightsによると、2016年のSamsungのファウンドリー事業の売上高見込みは27億9000万米ドルで、市場ランキングでは4位に下がるとみられている。代わって4位に浮上したのは中国のSMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)で、同年の売上高は28億8000万米ドルに達する見込みだ。

 Samsungの停滞の一因として、トップファウンドリーのTSMCが、Apple「iPhone 7」のプロセッサ「Aシリーズ」の製造の多くを請け負っているとみられることが挙げられる。新しい10nmプロセスが初めて用いられるSoCは、次世代スマートフォン「Galaxy 8」(仮称)に搭載される自社開発のプロセッサ「Exynos」になる見込みだ。

 IC Insightsによると、中国・上海に拠点を置くSMICは、2016年の売上高成長率が29%に達する勢いだという。一方のSamsungの売上高は、2015年から約4%の増加にとどまる見込みだ。SMICの成長をけん引しているのはプレーナ型のプロセスである。同社は2015年6月に、Qualcomm(クアルコム)およびimecと、14nm FinFETプロセスを共同開発する計画を発表している。

 Samsungが10nmプロセスの計画について詳細を明らかにしたのは、大手ファウンドリーの中では最後だった。Intelは2016年8月、TSMCは同年9月に、10nmプロセスを採用する製造計画について発表している。GLOBALFOUNDRIESは同年9月、10nm世代をスキップして7nm世代のプロセス開発を加速することを明らかにした。同社は2018年後半にも7nmプロセスでの量産開始を目指している。

■10nm/7nmウエハー市場予測

 IBS(International Business Strategies)は、10nm/7nmプロセスを適用したウエハーの製造量は、2025年には220万枚に達すると予想している。1枚当たりのウエハーの平均価格は8000米ドルになると見込んでいる。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

最終更新:10/19(水) 18:45

EE Times Japan

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