ここから本文です

【インタビュー】木村カエラ「“PUNKY”って誰でも持っていて熱く絶対に変わらない自分だけの思い」

BARKS 10/19(水) 12:53配信

10月19日、木村カエラが1年10ヶ月ぶりにニューアルバムをリリースする。9枚目となる新作のタイトルは『PUNKY』。デビュー以来、木村カエラといえばアバンギャルドなファッションアイコンとしてもお馴染みだっただけに、トゲトゲの鋲をつけたジャケットビジュアルとあいまってハマりすぎのタイトルだ。さらに今作では、ヒイズミマサユ機など、新たな顔ぶれが楽曲提供やプロデュースを行った。デビューから12年を経てもフレッシュさを失わない彼女の魅力に溢れた一作となっている。

■開きっぱなしのままって邪魔になることもあるんです
■作品を作る時は特に自分を閉じて深く掘り下げることが必要

――前作『MIETA』の時はデビュー10周年とも重なっていたので、活動としては過去を振り返ることもあっただろうし、リスタート的な感情もあったと思うんです。そういう時間を経たからこそ、「次はどうしようかなぁ?」っていうのは悩みどころだったと思うんです。そこらへんはどうでした?

木村カエラ(以下、木村):10周年のライヴのあとにアルバム『MIETA』が出てツアーを開催したそのくらいの時期ですね。次の作品に取り掛かろうって思っていたんです。でも、『MIETA』のアルバムが出来た時には、自分の中ではスッキリしていましたが、まだ次に進んだ感じがしてなくて。

――10周年とはいえ、時間としてはつながっているからね。

木村:前に進んで、自分の表現をちゃんと納得いくところまでやっていこうとしてはいるんだけど、得るものがある時とない時があるっていうか。その「得るもの」が、『MIETA』の時は、アルバムが完成した時も手ごたえが少ないという感じで、ツアーをやった時も物足りない感じがして……気持ち的なスッキリ度合いが足りないって思っていたんです。

――見えたと思っていたものが見えてなかった?

木村:見えてはいるし、何か抜けた感じはしていました。でもライヴが終わっても、ライヴ中も何かしらモヤモヤしていた。すごくいいライヴもできたと思うし、パフォーマンスも良かった。でもライヴが終わったあとに自分自身が普段に戻ると、心のどこかでモヤモヤしていて。それが何かわからなくて、その状態が結構長く続いていました。

――それが何かは今はわかったの?

木村:10周年の時にみんなへの感謝の気持ちが強くなって、作品を作るにしても、みんなの声を聞くようになりました。そこに頼りすぎたのが原因だったと思う。それに気づいていなくて。

――なるほど。実は、10周年のタイミングでインタビューをした時に、「自分だけの10周年じゃないんだと気づいた」って言っていたんですよね。それが原因ですかね。

木村:はい。そこでファンの皆さんや、関わった方々への色々な想いが開きっぱなしのまま、閉じなかったんです。でもきっと、いわゆるアーティストって言われている人や、私のやっていることにとっては、開きっぱなしのままって弊害になることもあるんですよね。作品を作る時は特に集中して、自分の中を深く掘り下げることが必要だったりするから。それはわかっているはずだったんだけど、閉じることができないまま過ごしていて。だからライヴの時も完全に閉じることが出来なかったんだと思うんですよね。自分としては閉じているんだけど、閉じ切らない状態で、ずっとツアーを回っていたんだけど、最後、下北沢シェルターでライヴを終えた途端に閉じました。閉じた途端に「今まで何やってたんだ私!」ってなって。

――我に返ったんだ。

木村:はい。それで、ものすごく後悔をしました。ここで出し切らなきゃって思いながらずっと生活していて、モヤモヤもしているし、答えが出ないまま、ずっと気持ち悪かったんです。でもその気持ちを誰に話せるわけでもないし。自分がそんな状態だから仕事も思うようにいかなかった。でも、閉じた瞬間に「あぁ、これはもう自分を鍛え直さないとダメだ」と思って。それで一旦、ずっと一緒にやってくれていたバンドメンバーから離れたんです。みんなといると甘えちゃうし、感謝の気持ちもあるし。みんな、私をデビューさせるためにメチャメチャ頑張ってくれた人たちだし、家族みたいだから、この人たちといたら甘え続けてしまうだろうな……と。

――感謝してるからこそ、また開いてしまうしね。

木村:その感謝の気持ちが、おそらく私をダメにしていたし、一緒にやってくれているみんなのこともダメにすると思って。でも、それまで一緒に歩いてきたぶん、自分に元気がなくなっていく時は、それを一緒に経験してほしくはない。だから、閉じることができたあとは、まず自分が一人で立ち上がっていきたいと思ったんですよね。そこでみんなと一緒にではなく、自分だけでいい波を作らないといけないと思って、「今回から違うメンバーでいきます」って、バンドメンバーに説明をしました。

――なるほど! そういうことだったのか。今作にシノッピ(渡辺忍)が参加していないのはどうしてかなって思っていたんですよ。

木村:そういうことなんです。それってすごく勇気のいる決断だったし、本当に10代の時からデビューも決まっていない私の世話をみんながしてくれていたから。デモテープを作るために夜中までスタジオに入ってくれたり、本当に感謝の気持ちと情といろんな気持ちがあるんですよね。だから家族なの。そこをあえて切り離そうと。みんなにも、「自分1人で行くところまで行って、もっと強くなってくるので、ちょっと私を旅立たせてください」と言って。そうしたらみんな、「大丈夫だよ。応援してるからね」って言ってくれて。優しいですよね。

――そうだったのか……。

木村:10周年で開きすぎていた時って、世の中的に打ち込みの音も流行っているし、かと言って自分は打ち込みの音がガッツリ好きなわけじゃないんだけど、そういう方向に行った方がいいのかな?とか、いろんなことを考えすぎてたというか。「一人じゃ限界があるから、他のメンバーとやってみるのもいいかもしれない」と思ったんです。ヒイズミ(マサユ機)さんと一緒に作ってみたいというのは決まっていたから、最初はヒイズミさんが集めてくれたメンバーと一緒に作るっていうのを繰り返しながら、「やっぱり今までのメンバーに甘えてたな」と改めて気づきました。新しい人と一緒にやると、自分が目立ちたいって感情が出てきて「この人たちに負けていられないぞ!」という気持ちになるんです。

――いつものメンバーだとバンドの一員になっちゃってたんだね。

木村:はい。みんな、テクニックももちろんあるし、歌にも本気でぶつかってくる。自分がそこでナメられちゃいけないし、音楽のことをもっと勉強しなきゃいけないなとも思ったし、いろんなことを感じました。自分が今まで足りないと思っていた部分も。で、夏フェスをやる時に、キーボードはヒイズミさん(key)、ベースはくるりの佐藤(征史)さん、ドラムがキャシー(柏倉隆史)、ギターにアイゴン(會田茂一)さんというメンバーでサポートをしてもらったんです。キャシーとアイゴンさんは昔からやってもらっている二人ですけど、ドラムに関しては、ずっと私の真後ろで叩いているから、結局、キャシー以外の人では難しいということがわかって。

――リズムは鼓動と一緒だもんねぇ。

木村:キャシーのドラムが歌と一緒に鳴っていないと落ち着かないし、歌えなくて。ドラムって、真後ろだから自分の声と同じ位置で聞こえるんです。そこにアイゴンさんも参加することになって。それぞれみんな個性的な人たちなんだけど、面白いし、自分も負けちゃいけないっていう気持ちになるし、安定感もあるから、すごくよくて。それで、そのままアルバムの制作にも入っていこうということで、そのメンバーでアルバム制作もして。

――そこまでたどり着くのも時間がかかったね。

木村:うん。長かったし、抜け出すのがすごく時間がかかったし大変でした。

■パンクじゃなくパンキーな感じなんだよね
■なんで今までこの言葉を使ってなかったんだろうって思う

――10周年の時のインタビューで、「カエラはいつもフレッシュだね」って話をしましたが、そのフレッシュさを維持するためには、メンバーをチェンジして、細胞を入れ替えるくらいのことが必要だったんだなぁと思いました。

木村:フレッシュさが必要だったのに、経験もあるし、いろんなことが邪魔をし始めて。10代の時の気持ちのまま突っ走っていたのに、ある日突然、すごい大御所!みたいな気持ちにどこかでなってしまっていたというか。自分が生んできた「カッコイイ」の定義もあるし、いろんなことが邪魔をするっていうか。それを一回捨てました。捨てた事で、剥がれたなって思う。いい意味で。

――だからこそ『PUNKY』というタイトルでもあるし。

木村:青春、10代。尖ってる、みたいな。

――原点みたいなものも今作では感じますよね。

木村:剥がれ落ちたから。意識せずともそういうものになったかなという感じはします。

――しかも、戻ったというよりも、積み上げたものがあった上での原点なんですよね。

木村:はい。新しい道を発見してそこを歩んでいるような。

――今まで、『PUNKY』なイメージってずっとありましたよね。ヘアスタイルにしろ。だから、この言葉って今まで使ってなかったっけ?思うくらいシックリくるんですよね。

木村:実は私もすごくシックリきていて。パンクじゃなく、パンキーな感じなんです。なんで今までこの言葉を使ってなかったんだろうって思いました。やっぱり人って、自分のことをわかっていないんですね(笑)。自分のことをわかって、このアルバムを作ることができてすごく良かったなって気持ちがすごくあります。

――『PUNKY』という名前やテーマが降ってきたのはどのタイミングだったの?

木村:今作のジャケット写真を撮影した時でした。その頃は、だいたい6曲くらいできていて、あと6曲くらい作りますよってなっていたんだけど、曲作りの方向性がまだブレていた時期でもあって。打ち込みやった方がいいのか、でも生音が好きだしなぁみたいな。でも、このジャケットのアートイメージは、ガッツリ頭の中にあって。夢は追い求めていたいし、希望も持っていたいし、輝いていたいから、キラキラしたものを身につけた写真を撮りたかったんです。それはとがっているスタッズだったりスパンコールだったり、星だったり、鏡だったり。とにかくキラキラしたものをくっつけて写真を何枚も撮りたい、時間をかけて作品になるような写真にしたいっていうところから始まったんです。いくつもパターンを撮っていく中で、顔に鋲をつけた写真があったんだけど、その瞬間に、「これじゃん!?コレ、コレ、コレ!」ってなったの。そこからアルバムも進み始めて、『PUNKY』ってタイトルも決まって、自分がやりたかったことも、自分がなりたかったものも全部できて。

――まさに、この1枚は降りてきた瞬間なんですね。

木村:はい。全部、スッキリ!みたいな感じだった。最初は方向性が決まっていなかったから、スパンコールを顔にいっぱいつけたやつをジャケットにしたいって言ってたけど、これを撮った瞬間に「これジャケット!」って気持ちになりました。良かったです。

――このビジュアルには『PUNKY』というタイトルしかない……くらいの感じだよね。そこからタイトル曲の「PUNKY」もできた?

木村:ちょうど歌詞を書いていたと思います。

――「There is love」はタイトルが決まってから?

木村:これは本当にレコーディングの最後の方。

――なるほど。納得。イントロが逆回転になっていて、すごくUKなテイストですよね。やっぱりパンクと言えばUKだから、1曲目にピッタリだなぁと。

木村:はい。バグパイプを連想させるようなギターの響きも入ってるし。

――シングルの曲もあるから、まとめるのは大変だったと思うけど、この「There is love」でUKな感じで始まって、後半にシド&ナンシー(イギリスを代表するパンクバンド、セックスピストルズの2代目ベーシスト・シド・ヴィシャスとその恋人)が出てくるタイトル曲「PUNKY」があることで、アルバムのテーマが全体を貫いたという感じだよね。

木村:実は『PUNKY』ってタイトルに決まるまでは、テレビ番組の主題歌とか映画の主題歌、CMの曲とか、テーマが決まっているものを作ってから、その曲をちりばめるのがすごく難しくて。2~3曲目でアルバムの印象って決まっちゃうから、2曲目か3曲目で温かいものとパンクを混ぜられたらいいなと思って、「ぼくたちの歌」でパンクな感じを出して「EGG」につなげました。最後の方には大きなもの……愛を歌った「向日葵」も入っているからそこまで繋がってくれたらいいなぁって。納得いってないものを作ることほど辛いことはないから、今回は本当にうまくまとまったなぁと思っています。

――「EGG」のカップリングだった「オバケなんてないさ」もいい感じのポジションですよね。

木村:ちょうど「THE SIXTH SENSE」って第六感の歌だから、次に入れたらいいかもって。うまくハマるところがあったので。

――個人的には「THE SIXTH SENSE」が好きなんですよ。このいなたいギターが。いつもだと、こういう雰囲気でもオシャレ感があったけど、これは最後までいなたい。だからすごく意外性があって良かった。

木村:ははは(笑)。アイゴンさんが作った曲だけど、私がこれを選んだら、「意外なものを選んだね。これを選ぶとは思わなかった」ってアイゴンさんにも言われました。こういうギターが入っている曲は今までもあるんだけど、だいたい途中からポップになっていて。だから、ここまでのハードロックはあまりやってこなかったんです。この曲、デモのタイトルが「HR」で、「これなんの略ですか?」ってアイゴンさんに聞いたら「ハードロックだよ」って言われて。アイゴンさんのギターがすごくかっこよくて。ギターのリフがループしてる部分とか、すごい好きだから、この曲にはたまらないツボがすごい入ってて。でも歌詞を書くのは難しかったです。

■「今を生きる」っていう言葉をいっぱい入れたいと思った
■バンとくる衝撃的なものだったり熱い思いってすごく重要だから

――「恋煩いの豚」は「クラシエ ナイーブ」のCMソングですけど、この前までやっていたイタリアを舞台にしたアニメ「ルパン三世」の新シリーズで同じタイトルの作品があって。何か関係があるの?

木村:それが、偶然なんですよ。この曲では豚の話を書きたかったんです。この豚自体、ナイーブちゃんっていう名前だから、性格もナイーブで。あと、お風呂に入っている時って、女性はだいたい綺麗になりたいとか思いながら、化粧を落としてツルツルにする、と考えた時に、恋をして、綺麗になりたいナイーブな豚というのが思い浮かびました。恋をしていて、振り回されて、空中ブランコにも乗っちゃうし、豚は泥も好きだから、いろんなところに飛び込んでも行けちゃう。これは、恋煩いしている豚なんだなと。それで、その後、タイトルが何かとかぶっていないかネットで調べたんですよ。そうしたら、ルパンで。逆にテンションが上がって、その物語を全部見て、内容もすごく良かったから、もうこのタイトルにしようと、そのままGOしました。

――偶然なんだ。曲調もミュージカルっぽくてすごく似合ってるよね。

木村:サーカスっぽい曲がいいなと思って。

――この曲は小松清人さんの作曲ですよね。その他、作曲家陣が変わったことで、かなり楽曲もバリエーションが広がったよね。「好き」のシャムキャッツとか、「PUNKY」「BOX」のH ZETT Mさんとか。編曲もやってるね。H ZETT Mさんの演奏には狂気のようなものを感じて、そこがまたパンキーというテーマに合っている。

木村:ピアノを叩いているような、聴いたことのないピアノの音を奏でていて。それがたまらなく好きで。ピアノをそんな感じで弾くんだ!?って。でも感動的なものは感動的に弾ける人なんですよ。才能というか。

――それこそ「PUNKY」の意味の一つでもある「火口」って感じ。

木村:はい。爆発的な、ふつふつとした感じがあります。彼しか弾けないピアノになるから今回のアルバムにはぴったりだったなと思っていて。私自身、ピアノの音とドラムの音がすごく好きなんですよ。だからすごく心地いい。

――シャムキャッツとの制作はどうでした?

木村:“いっせーのドン”でやろうってことで。最後のほうで、いっせーのドンでやれるパンクが欲しいってなり、シャムキャッツの夏目(知幸)くんが曲を提供してくれて。そこから「もっとパンクっぽくアレンジをして!」って上がってきたのがこの曲で。勢いで演奏した方が魂とか勢いがこもるから、何回もやらないで一発録りで。

――こういうフレッシュなのとアイゴンさんの成熟したギターが聴ける曲とバランス良く収録されているのがいいですね。

木村:インタビュー中に思ったけど、こういうフレッシュ感みたいなのって大事なんですね。ドシッとしすぎるとちょっとつまんないっていうか。

――それも曲によってさじ加減が必要ですよね。「向日葵」のような曲はまたちょっと話が違ってくるでしょ? この曲はすごくストリングスの印象が強くて、まさかくるりの岸田繁さんの曲だとは思わなかったけど。どうしてもバンドのイメージがあるから。でも、実はくるりってメロディがすごく綺麗だもんなと思ったら納得。

木村:そうなんです。これが映画『バースデーカード』の主題歌のお話をいただいて、台本を読んで監督とお話して、その時に軽く映像も見せてもらって。打ち合わせが終わった時に「これは岸田さんに書いてもらわないと成功しない」って直感で思ってお願いしたら、「アレンジまでは無理だけど、曲だけだったら作れるかも」って急いで作っていただいたのを「できた!」って携帯のメールに送ってくれて(笑)。ピアノとアコギだけで作って、それをビデオで撮ってあったんですよ。そこからこの曲が生まれたんです。

――壮大なイメージですよね。

木村:監督と話した時に「優しい感じがいい」って言っていたので、アコギとかでアコースティックな感じだろうなと思っていたんですけど、でもこの曲ならピアノの音とか弦の音がいいのかなって。アレンジは徳澤青弦さんにお願いしたいっていうのはなんとなく決まってたんです。彼の作る音がすごく好きで。「Sun shower」の時も一緒にやっているんだけど、あの曲のもっと優しい感じを作りたいというイメージがあったし、以前、青弦さんが作った弦の音を聴いた時に泣きそうになったんです。だから絶対に青弦さんがいいって。打ち合わせをした時に、「ピアノとちょっとだけドラムが入っているくらいでいいんじゃないですか?」っていう感じになって、そこからこのアレンジになりました。

――カエラの楽曲には「マーガレット」が出てくる「リルラリルハ」もあるけど、今度は「向日葵」なんですね。

木村:映画を見たら、「向日葵」しか浮かばないような内容だったんですよ。親にとって子供って太陽なんですよね。子供を太陽だとしたら、いつも太陽の方向を向いて咲いている向日葵は子供を見つめ続ける親の立場と一緒じゃないかなって。花言葉は「あなただけを見つめてる」だし、優しくて大きくて、でも強い思い。「もう向日葵しかないでしょ」って。きっと映画を見てくれればすごくわかると思います。

――歌詞に関してはどれも平易な言葉で書いてあってすごくシンプル。

木村:いろんなことをハッキリ言おうという思いがすごく強かった。吐き出せ!みたいな。『PUNKY』という言葉自体に「熱を持っている」とか「火口」っていう意味があって、誰でも持っている、表には出さないけど熱い思いがある。絶対に変わらない、自分だけの想いというか。そういうことを歌ったり、私が座右の銘にしている「今を生きる」っていう言葉をいっぱい入れたいと思ったんです。バンとくる衝撃的なものだったり、熱い思いって、すごく重要だから、全体的にそれを散りばめたりしています。

――メッセージもそうなんですが、音と言葉の一体感を意識しているような印象も強いですよね。

木村:デモの時に聞こえてくる言葉を意味を気にせずに入れちゃう。自然に出てくる言葉って絶対的な感じがしていて。それを変えるとだいたい後悔するんですよね。「PUNKY」の中にも「ヤッホー」って入っているんだけど、デモでも「ヤッホー」って歌っていたから、そのままにしているんです。そこはもうヤッホーしかないんですよ(笑)。

――それでしか聞こえないんですよね。

木村:それが一番気持ちいいから最初から出てくるんです。無意味でもいい。それよりも気持ちいい言葉、出てきちゃったものはもう入れようと。

――「Happyな半被」なんてまさにそういうところだらけでしょ? 言葉とメロディがリンクしているからこそ、意図してメッセージしたわけじゃないのに、メッセージ性を感じてしまうという。

木村:音と言葉のマジックがすごい(笑)。

――「恋煩いの豚」もそういう手法。「僕たちのうた」は物語になっていたりするけど。

木村:はい。「僕たちのうた」は王道に作りました。小中高の気持ちに戻って。Aメロは幼稚園。そこからだんだん成長しています。自分の年代を追いながら卒業ソングを書いていくというか。このデモを聴いた時に「卒業」とか「春のサヨナラ」感があって。「10代の青春だな」と。じゃあ、卒業式の曲を描こうと思って。初めて卒業ソングを書いたから、逆に照れ臭くて、「こんなまっすぐな感じで大丈夫?」っていうのはあったけど、「いいじゃん」って。

――前作『MIETA』にはPOP ETCとか外国の作家さんが参加していたり、シノッピが英語詞を書きたいモードだったから、英語詞も多かったりしたから私の中では洋楽アルバムのような印象があったんです。でも今作は日本に戻ってきた感じがすごくします。でもサウンドはUKが入ってる……でも日本っていう作品ですよね。

木村:わかります(笑)。THE BLUE HEARTS的なパンクさとかもありますよね。

――「SHOW TIME」もクラップが入ったりしているし、今作はライヴをするのも楽しそうな曲が増えましたね。

木村:ライブでやったら楽しいと思います。今回はライブハウスツアーから始まり、その後のホールツアーのタイトルが、両方とも光っているものがタイトルになっていて、ライブハウスツアーが「STUDS TOUR」で、ホールツアーは会場も大きくなるから、ギラギラギラって感じで「DIAMOND TOUR」なんです。今回作ったアルバムの曲がどんな曲かっていうのもライヴをすることで確かめられるんですよね。自分はもっと盛り上がると思っていたけど、お客さんにとってはこういう曲なのかとか。その曲の個性がライヴをしないと生まれて来ないから。それがすごい楽しみです。

取材・文●大橋美貴子

『PUNKY』
10月19日(水)発売
[初回限定盤] CD+DVD
豪華スペシャルパッケージ仕様
<DVD>
「EGG」(music video)
「BOX」(music video)
「BOX」(making movie)
LIVE『GO!SHOW TIME』 at渋谷公会堂 (2015.9.9)
¥3,700+税 VIZL-955

[通常盤] CD ONLY
¥3,000+税 VICL-64563

<収録曲>
01.There is love
02.僕たちのうた
03.EGG(TBS系木曜ドラマ劇場『37.5℃の涙』挿入歌)
04.THE SIXTH SENSE
05.オバケなんてないさ
06.SHOW TIME
07.好き
08.恋煩いの豚(クラシエ「ナイーブ」CMソング)
09.PUNKY
10.BOX(Microsoft「Surface Book」タイアップソング)
11.向日葵(映画『バースデーカード』主題歌 【2016年10月22日公開】)
12.Happyな半被(日テレ「世界の果てまでイッテQ!」で歌った話題の歌)

ライブ・イベント情報
<STUDS TOUR supported by クラシエ naive>
10月18日(火)東京・赤坂BLITZ
10月19日(水)東京・赤坂BLITZ
10月24日(月)広島・CLUB QUATTRO
10月26日(水)新潟・NIIGATA LOTS
11月11日(金)北海道・札幌PENNYLANE 24
11月14日(月)愛知・名古屋DIAMONDHALL
11月16日(水)兵庫・神戸CHICKEN GEORGE
11月17日(木)大阪・なんばHatch

<DIAMOND TOUR>
1月28日(土)埼玉・戸田市文化会館
1月29日(日)宮城・仙台電力ホール
2月5日(日)石川・金沢市文化ホール
2月11日(土)神奈川・神奈川県民ホール
2月25日(土)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
3月1日(水)福岡・福岡国際会議場メインホール
3月3日(金)東京・東京国際フォーラム ホールA
3月5日(日)愛媛・西予市宇和文化会館
3月6日(月)大阪・フェスティバルホール

最終更新:10/19(水) 12:53

BARKS

なぜ今? 首相主導の働き方改革