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「年収より幸福度」の生き方とは? 福岡で「小商い部」が始動

qBiz 西日本新聞経済電子版 10/19(水) 11:20配信

 「年収は上がっても、幸福度は上がらない…」。そんな一言が背中を押した「ふくおか小商い部」の活動が福岡市で始まった。小さくてもいいから、無理せず、楽しみながら自分の好きな「商い」を営むことを目指す。その姿勢は、豊かさを求めてあくせく働いたかつてのモーレツサラリーマンとは対極にあるようだ。初回会合をのぞくと、自己充実を求めて集まった若者たちがいた。

ストレス社会へのアンチ? 福岡で「小商い」する部活が発足するワケ

■参加者10人のうち女性が9人

 9月27日夜。福岡市・大名にあるオフィスビルの一室に、20~30代の若者たち10人が続々と集まってきた。

 ほとんどが会社員。アルバイトや、いったん仕事を辞めて次の道を模索している人もいた。

 会員交流サイト(SNS)などの公募を見て、応募してきた面々。うち9人が女性だ。

 「兼業や転職に動いているというふうに勤め先から誤解されたくない」ということで、取材ではプライバシー厳守を約束した。

 現状でも給料は稼げている。生活もできている。それなのに、なぜ、「小商い」なのか。若者たちは、互いに自己紹介しながら、参加動機を語った。

 「一生続けられる仕事をしたい」
 「自分のスキルで生きていきたい」
 「料理教室を開きたい」
 「これだ、という自分らしい仕事を見つけたい」
 「海外進出して、日本の発酵文化を広げたい」

 次々に出てきた“夢”に共通するのは、金もうけよりも、「生きがい」「自分らしさ」といったメンタル面の充実だった。

■人生一度。「生き生きと生きたい」

 バブルが崩壊し日本経済の低迷が続いた「失われた20年」の間に成人を迎えた若者たち。成熟社会にあって、目的を見いだしにくくなっているのか。

 会合が始まって1時間ほど過ぎた時だった。レストラン勤務の女性がこんなことを打ち明けた。

 「先日、仕事に疲れて、夜、家に帰っても、ご飯を食べる元気もなかったんです…」。うつむいて語る姿に、日々のストレスの重さが伝わってきた。

 ところが、「大好き」というお菓子作りの話に及ぶと、表情は一変。「疲れている人や、心に余裕がない人に食べてもらって、ホッとしてもらいたい。人の役に立ちたいんです」と目を輝かせた。

 マスキングテープを使ってアイフォーンケースを作るのが「好き」だという女性会社員もいた。「友達に作ってあげたらすごく喜ばれて、それがすごくうれしくて、ハンドメードの仕事がしたいと思ったんです」

 別の女性会社員はもっと深く考えているようだった。

 「一度きりの人生。このまま鬱々(うつうつ)と仕事を続けるより、楽しく、自分の力を生かして、生き生きと生きたい」

 日ごろは会社で経理を担当しているという。「褒められず、喜ばれず、やって当然のルーティンワークを続けているうちに、私って何?」と疑問が沸いてきたという。

 そして、「何かの役に立ちたい。喜びを感じて生きたい」。こんな思いが募ってきたそうだ。

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最終更新:10/19(水) 11:26

qBiz 西日本新聞経済電子版