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新日鉄住金/厚板店売り追加値上げ/11月積み5000円、累計1万円/造船・建機などヒモ付き、1万円値上げ申し入れ

鉄鋼新聞 10/19(水) 6:00配信

新日鉄住金は、今16年度下期の国内店売り向け厚板販売価格について、10月下旬から引き受ける11月積み契約からトン5千円追加値上げすることを決めた。6月積み契約からのトン5千円値上げと合わせて累計1万円の価格改定。厚板営業部では「上期の値上げは個別交渉を進めてきたが、浸透に時間を要している面もある。この完全浸透を急ぐとともに、再生産可能な価格にするための追加値上げを実施する」としており、「来月以降もマーケット環境を踏まえながら、さらなる追加値上げも検討していく」方針だ。
同時に、造船や建機向けなどヒモ付き分野について、下期においてトン1万円レベルの価格改善に取り組む方針。上期のヒモ付き交渉は、総じてほぼ横ばいか一部小幅値上げで決着したとみられるが、年度では店売り向けと同レベル(年度初めを発射台としてトン1万円)の値上げを実施したい意向だ。
新日鉄住金の厚板事業は、前15年度下期から採算が大幅に悪化している。油価下落に伴うエネルギー関連需要の低迷、急速な円高の進行、副原料を含む鉄鋼原料の上伸によるコストアップなどが響いている。
加えて8月からは原料炭価格が急騰し、4~6月期から比べて原料価格はトン1万円前後のコストアップに直面。「自助努力を超えた大幅なコストアップであり、原料高分の転嫁が不可避」と判断した。
下期のミルの稼働状況は、メキシコのガスパイプラインプロジェクト向けに大径溶接鋼管(UO鋼管)を大量受注しており、フル稼働となる見通し。生産余力が限られる中で、輸出商談も「価格優先」のスタンスで交渉を行っている。数量に不安はないこともあり「事業継続可能な水準への価格改定を急ぐ」考えだ。
同社では下期の厚板需要を「上期より減少する要素はない」とみている。造船向けも先々ピッチダウンの懸念はあるが、今年度中に需要が大きく減ることにはならないとみている。建機向けは「上期が底だった。世界を見渡しても建機販売は、底を打って上に向き始めた」という。
建築向けは、形鋼などに動きが出始めて厚板に波及する期待があるほか、土木向けは季節要因から増加が見込まれる、としている。

最終更新:10/19(水) 6:00

鉄鋼新聞