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シロアリ駆除の薬剤散布で体調崩す 隣家に事前通告怠った業者に賠償命令

佐賀新聞 10/19(水) 10:53配信

佐賀地裁判決

 隣の家で散布したシロアリ駆除の薬剤が原因で化学物質過敏症(CS)による体調不良を起こしたなどとして、男性患者が佐賀県佐賀市の建築・リフォーム会社マベックに損害賠償を求めた訴訟の判決で、佐賀地裁は18日、訴えの一部を認めて会社に治療費など約30万円の支払いを命じた。

 訴訟では会社側が薬剤の散布時に男性へ事前通告する義務があったかが争点になった。森山由孝裁判官は判決理由で、シロアリ駆除の数日前の外壁塗装工事でも体調不良になった男性が会社側に化学物質の利用前の連絡を求めていたことを示し、「通告義務違反の過失がある」と認定した。

 家に住めなくなった賠償として男性側は約2300万円も求めていたが、家の中で薬剤の主成分が検出されなかったことなどを理由に訴えを退けた。

 訴訟を起こした小柳常幸さん(71)=佐賀市=は会見で「化学物質過敏症で苦しんでいる人は多い。社会での理解促進につながってほしい」と述べた。原告側弁護士は「こうした裁判で業者側の責任が認められるのは画期的」と指摘した。マベックは「判決文を精査する必要があり、コメントは差し控える」とした。

 化学物質過敏症支援センター(横浜市)の広田しのぶ事務局長は「隣の家の工事や薬剤散布で体調が悪化しても、患者が泣き寝入りするケースは多い。相手方への通告など、事前の適切な対応を促した今回の判決の意義は大きい」と話した。

最終更新:10/19(水) 11:00

佐賀新聞