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GMに全権託す時代は終わった? メジャーで増える“翻訳泣かせ”の役職とは

Full-Count 10/19(水) 13:12配信

MLBで増える役職とフロント陣容の新トレンド

 球団を強くするためには、1人の敏腕GM(ジェネラル・マネージャー)の存在が不可欠。しかしその時代は終わりに近づいているのかもしれない。

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 グラウンド上の戦いだけでなく、フロントの戦略が注目されビリー・ビーン氏やセオ・エプスタイン氏という名前が選手並みに知名度の高いものとなったのも最近の話だ。パ・リーグでも1995年には広岡達朗氏が千葉ロッテマリーンズのGMに。そして2000年以降は高田繁氏が北海道日本ハムファイターズのGM職に就任したりしている(その後、横浜DeNAベイスターズGMに就任)。日米では役職の違いもあり、さらには親会社から出向するスタッフもいるプロ野球界では人事異動も頻繁におこることから、全球団がこのGM職を設置するまでは浸透していない。

 メジャーリーグではこのGM職は各球団に当たり前のように存在している。選手たちをチームとしてまとめ上げ、勝利のために指揮を執るのが監督だとしたら、編成面でチーム作りの指揮を執るのがGMという存在だろう。

 だが球団が敏腕GM1人にチーム編成の実権を全て頼る時代は終わりに近づいている。先ほど挙げたビリー・ビーン氏もセオ・エプスタイン氏もいまやGMという肩書きではなくなっており、エプスタイン氏の肩書きは今プレジデント・オブ・ベースボール・オペレーションズとなっている。いつもこの役職をどう訳すべきなのかに悩まされる。各メディアでも訳はそれぞれであり、編成本部長、球団社長、編成担当取締役などバラバラである。翻訳の仕事をしていると、これを何かしら統一できないものかといつも思ってしまう。

カブス&ドジャースはフロント陣もオールスターと呼べるような陣容に

 近年の動きとしてはこのプレジデント・オブ・ベースボール・オペレーションズという役職がトップに立ち、その下に自らが信頼する右腕をGMとして雇うケースが増えている。現在シカゴ・カブスに在籍するセオ・エプスタイン氏もGMにはレッドソックス時代にもともにチームを強くしたジェド・ホイヤー氏を迎え入れた。さらには選手育成やスカウティングの責任者にもレッドソックスで一緒だったジェイソン・マクラウド氏を起用した。エプスタイン氏はプレーオフ中にシカゴ・カブスと5年契約の延長に合意し、その際にはともにカブスの躍進を支えている2人にも契約延長が与えられた模様だ。

 こういった背景にはグラウンドで結果を求められる選手、監督、コーチ陣たちと同様にチーム編成に携わるスタッフの重要性が浸透していることが理解できる。このシカゴ・カブス同様にロサンゼルス・ドジャースは豊富な資金力で選手たちを獲得するだけでなく、フロント陣もオールスターと呼べるような陣容を備えた。

 エクゼクティブ・バイス・プレジデントという役職として野球運営のトップにタンパベイ・レイズからアンドリュー・フリードマン氏を招聘し、GMにはオークランド・アスレチックスでビリー・ビーン氏の下で働いていたファーハン・ザイディ氏を据えた。それ以外にも他球団でGM職を経験しているスタッフを何人か加え、選手だけでなくフロントの人材も多く獲得。これは一例に過ぎないが、この2チームはプレーオフで勝ち残っており、ナショナルリーグチャンピオンシップシリーズで対戦している。グラウンド上だけでなく、チーム編成や分析に長けたフロント同士のブレインの対決にも注目だ。

 さらにはアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズで対戦しているトロント・ブルージェイズとクリーブランド・インディアンスのフロント対決も面白い。現在ブルージェイズのプレジデント兼CEOの役職に就いているマーク・シャペイロ氏とロス・アトキンズGMは元々クリーブランド・インディアンスでタッグを組んでいた。私が野球界でのキャリアをスタート(インディアンスでの広報インターン)させた当時は、彼らがチームを率いていた。だが今はブルージェイズに活躍の場を移し、いわばインディアンスのフロント陣とは師弟対決となる。

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最終更新:10/19(水) 15:14

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SETIの研究者であるセス・ショスタックは24年以内に地球外生命体を発見できると賭けを申し出ます。そうでなければコーヒーを一杯おごると。何故、発見できるのか。そして、はるかに進んだ社会を発見することによって人類はどう影響を受けるのかについて語ります。