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深谷・長女殺害、保護観察付き猶予判決 地裁「長年、献身的に養育」

埼玉新聞 10/19(水) 23:05配信

 今年2月、埼玉県深谷市の自宅で同居する長女=当時(43)=の首を絞めて殺害したとして、殺人の罪に問われた、同市高畑、無職柳育子被告(68)の裁判員裁判の判決公判が19日、さいたま地裁で開かれた。守下実裁判長は「被害者を献身的に養育してきた」などとして、柳被告に懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役6年)を言い渡した。

 判決で守下裁判長は、首の骨が折れるまでスカーフで絞め続けた犯行態様を「強い殺意に基づき、酌むべき事情はない」と指摘。統合失調症で自宅療養中だった長女の症状について、犯行直前は重篤なものではなかったとして、「病気に対する偏った見方があり、病状と適切に向き合うことができなかった。殺害に至った経緯は短絡的で非難は免れない」と述べた。

 一方で、柳被告が長年にわたり長女を養育してきた点を考慮。「精神的に追い詰められ、周囲から疾病に対する適切なアドバイスもなかった。長女の将来への不安を一人で抱え込み、殺害を決意した意思決定過程を強く非難することはできない」とした。柳被告が反省の姿勢を見せている点などを踏まえ、「社会との適切な関わりの中で偏った思考を是正する必要がある」と判決理由を述べた。

 長女は昨年、統合失調症の診断を受け、入退院を繰り返した。自宅療養中だった事件直前の2月初旬には、食事や薬を拒み、会話が成立しなかったという。公判で柳被告は「病気が再発したと思った。回復してもまた繰り返すと思い、娘は普通に生きていけないと思ってしまった」と話していた。

 判決によると、柳被告は2月20日ごろ、自宅で就寝中の長女結実さんの首をスカーフで絞めて、頸部(けいぶ)圧迫による窒息死で死亡させた。柳被告は殺害後に自殺を図ったが死ぬことができず、深谷署に自首した。

最終更新:10/19(水) 23:05

埼玉新聞