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温かさ感じた「いちゃりばちょーでー」 ウチナーグチ復興に力【夢紡ぐ次代の県系人・中】

沖縄タイムス 10/19(水) 16:00配信

栄里サマンサ明美さん(23) 県系4世 ハワイ出身

 「3世以降、ウチナーグチができる人が少なくなっています」。ハワイ県系4世の真栄里サマンサ明美さん(23)は、名桜大学で9日開かれた「世界ウチナーンチュ学生サミット」で、約150人の海外子弟や学生に危機感を訴えた。

 しまくとぅばの継承発展について研究するため4月に来県。琉球大学大学院への進学を目指し、同大の科目等履修生として「ウチナーグチ」を学んでいる。

 日本語が全く分からない両親に育てられたサマンサさんが、しまくとぅばに興味を持ったのは、沖縄に2週間ホームステイした15歳の時。「いちゃりばちょーでー」という言葉を初めて知り、ウチナーンチュの温かさを感じた。通っていた那覇西高校の生徒に「いちゃりばちょーでー」とたくさん声を掛けると、とても喜んでもらえた。

 沖縄の肝心(ちむぐくる)を知るにつれて「家に帰ってきたみたい。いつか沖縄に住もう」と思う一方で、ハワイで学んできた琉舞や三線をやっている生徒が身近にいないことに驚いた。

 ハワイの県系人は“ウチナーンチュ”として誇りを持ち、伝統文化を大切に受け継いできた。なのに、ふるさと沖縄の人々は、伝統文化への関心や価値が低いことにショックを受けた。

 伝統文化やアイデンティティーの基礎となるのは言語。ハワイでは1978年、ハワイ語を公用語に定め、継承に力を入れている。フラも「歌詞の意味を知らないと踊り手とはいえない」とされるが「沖縄ではエイサーや琉舞の歌詞の意味を、どれくらいの人が知っているんだろう」。

 そんな思いからパソコンでウチナーグチ辞典を作り始めた。動詞は「未然形」「推量形」など活用別にまとめ、単語については「首里くとぅば」と、自身のルーツがある平敷屋と具志川の言い方も記録。すでに千単語以上を入力した。

 最近覚えた好きな言葉は「助け合い」「お互いさま」という意味の「ちゅいしーじー」。「にふぇーでーびる(ありがとう)」への返答で、相手の感謝に「助け合いだよ」と返すところに温かさを実感した。

 「ウチナーグチ復興のためには、もっと話せないと」と語るサマンサさん。ウチナーンチュ大会の若者サミットではしまくとぅばの継承を議論、「しまくとぅば語やびら世界大会」では、しまくとぅばと英語で司会を務める。「ハワイと沖縄のウチナーンチュが互いに頑張って、ウチナーグチを残していきたい」。(社会部・浦崎直己)

最終更新:10/19(水) 16:00

沖縄タイムス