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自分で本を書いて自分で売る!「本のタネ」となる本づくりとは?/北海道

Webマガジン コロカル 10/19(水) 17:04配信

うちへおいでよ! みんなでつくるエコビレッジ vol.28

コロカル・Web連載【うちへおいでよ! みんなでつくるエコビレッジ】とは?
北海道にエコビレッジをつくりたい。そこにずっと住んでもいいし、ときどき遊びに来てもいい。野菜を育ててみんなで食べ、あんまりお金を使わずに暮らす。そんな「新しい家族のカタチ」を探ります。執筆は來嶋路子さん。現在、東京と北海道を行き来しながら編集の仕事をしつつ、エコビレッジをつくるという目標に向かって奔走中。ときどき畑仕事も。

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■山をテーマにした本をつくろうと思いたち……

この秋から、新しい本づくりの準備を始めている。今年の春に、北海道・岩見沢にある8ヘクタールの山林を買ったことを本にしようと考えているのだ。タイトルは、いまのところシンプルに『山を買う』。そしてサブタイトルは「必要なのはお金よりも“思い切り”」にしようかと検討中。

購入の経緯については、この連載(第18回)でも触れてきたように、最初はエコビレッジづくりの拠点になればと考えていたのだが、手に入れてみると、それだけでない発見が数多くあり、また東京の友人に山購入の話をすると「私も買ってみたい!」と興味を示してくれることも多く、ならば本を書こうと思いたったのだ。

もうひとつ、きっかけがある。この連載でも紹介してきたように、私たちが買った山があるのは、岩見沢の東部丘陵地域といわれるエリア。過疎化の問題を抱えるこの地域の未来を考えるトークイベントがあり、そのゲストとして来てくれたアクセサリーデザイナーの岩切エミさん(第23回)とした約束もある。その約束とは、この地域のピーアールをするためのイベントを、来年4月に札幌市資料館でエミさん協力のもとに開催するというもので、会場で販売するアイテムのひとつにこの本がなったらと考えているのだ。

内容は東京生まれ東京育ちで、アウトドアや登山経験がほぼゼロという私が、なぜ山を買ったのか。購入1年目でどんなことができたのかについて、イラストを交えながら紹介するというもの。

山を購入してからは、山での活動を「山活!」と称して、月に2~3回ほど友人たちを募っていろいろな取り組みをしており、それについても連載で触れてきた(第24回)が、まだまだ書ききれなかった楽しみもあって、それらも本に収録したいと考えている。

とくにいまハマっているのは土器づくりだ。土をスコップで掘り返してみたところ、その質は粘土のよう。「山活!」に遊びに来ていた小学生が「これ焼いたら、陶器になるんじゃない?」というひと言がきっかけとなった。土を乾かして炭火に入れてみると、カーンといい音がして、なんと素焼きすることができたのだった。

以来、土器や土偶などをたくさんつくっており、山活メンバー(とくに子どもたち)にも大好評の遊びのひとつとなった。

また、山を買った噂が近所に広まっていて、何やらおもしろそうなことをしているらしいと、いろいろな人が訪ねてくれるようになったことも、うれしい出来事。

この本では、東京でこれまで会社員として働くだけだった私でも、新車を買うよりも安い値段で山を手に入れることができ、しかもなんとか楽しむことができているということを伝えてみたい。


■この本をつくることで、小さな経済が回り始めたら……

この『山を買う』という本の仕様は、手のひらサイズで約32ページを想定している。価格は500円。部数は600部。印刷代を含む諸経費は15万円くらい(希望的観測だけど……)。仮に全部売れたら30万円(500円×600部)。諸経費を引いたら手元に残るのは15万円(7割り売れたら手元に残るのは6万円)。毎月1冊ずつ本をつくって軌道に乗せることで、この活動が生活費を稼ぐ柱のひとつになったら、そんな考えも持っている。

私の本業は編集者。フリーランスとして東京の出版社から依頼を受けて、原稿執筆や取材、書籍づくりなどを行っている。これらは毎回刺激的なことも多く、ありがたい仕事ではあるが、位置づけとしては大きな歯車のひとつのパーツだ。

また、出版社で本を刊行する場合、編集に加え営業や広告、流通など多数の人が関わるため、売り上げが見込める内容しか企画が通らないという制約がある。こうした不特定多数に向けた本づくりを20年ほど続けてきて、もう少し違うやり方を考えてもいいんじゃないだろうかと思い始めた。それが、今回の『山を買う』をつくるにあたって、私が大切にしたいと思う点だ。東京の出版社から仕事を請け負うのではなく、自ら本を書いて自ら売ってみたい。それが自分の表現に磨きをかけていくチャンスにもなるのではないか。

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最終更新:10/19(水) 17:04

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