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TPP特委 農相発言で空転 野党「強行」に猛反発

日本農業新聞 10/20(木) 7:00配信

 衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会は19日、山本有二農相が強行採決の可能性を示唆する発言をしたことを受けて混乱した。民進党などは「強行採決を前提にした審議には応じられない」と抗議。山本農相は、同委員会で発言を撤回し謝罪したが収まらず、塩谷立委員長が職権で審議を続行。採決の前提となる地方公聴会を24日に開くことを決めた。審議を急ぐ与党の強引な議事運営に民進、共産両党は反発し欠席した。今後の審議日程を巡る与野党協議が難航するのは必至で、与党が最終的に強行採決に踏み切る可能性もある。

 同委員会は、予定より6時間近く遅れた午後6時45分ごろに開かれた。民進、共産の両党の委員が「強行するのか」などと委員長に詰め寄ったが、その後、退席した。両党不在のまま委員会は続行し、日本維新の会の丸山穂高氏が質問に立った。自民、公明、維新の各党で、24日に北海道と宮崎県で地方公聴会、21日に参考人質疑をそれぞれ開くことを決めた。

 民進党の山井和則国対委員長は記者団に「国民の理解を得る丁寧な審議とは全く言えない。強行な審議、強行な地方公聴会の審議に強く抗議したい」と述べた。

 山本農相は18日夕に開かれた佐藤勉衆院議院運営委員長のパーティーで、TPP承認案の審議を巡り「強行採決するかどうかは佐藤さんが決める」と発言。農相はTPPの関係閣僚で、国会にTPP承認案と関連法案を審議してもらう立場。にもかかわらず、国会の議事運営に踏み込んだ上、強行採決も視野にあるかのような発言に野党は激しく抗議。同委員会理事会で農相の辞任や強行採決をしないことを確約することを要求したが、与党側は応じなかった。

 山本農相は委員会の冒頭、自身の発言について「採決は国会で決めることだという意を伝えたかった」と釈明し「発言を撤回しおわびを申し上げる」と陳謝した。菅義偉官房長官は山本農相を厳重注意した。

 同委員会の運営を巡っては、自民党の理事だった福井照氏が「強行採決という形で実現するよう頑張る」と発言し辞任。安倍晋三首相は17、18日の同委員会で「(自民党は)結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」と答弁していた。

日本農業新聞

最終更新:10/20(木) 7:00

日本農業新聞