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債券先物下落、日銀カーブ操作で動きにくいとの声-流動性供給見極め

Bloomberg 10/20(木) 7:54配信

債券市場では先物相場が小幅安。日本銀行による新しい枠組み導入で取引が低迷する中、この日実施の流動性供給入札を見極めようとする姿勢から買いが控えられている。

20日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比2銭高の151円87銭で取引を開始した後は伸び悩む展開。一時は2銭安まで水準を切り下げている。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の344回債利回りは、マイナス0.06%で取引を開始し、その後も日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と同水準で推移している。前日は新発債として1年ぶりに取引が成立しなかった。

新発20年物の158回債利回りは横ばいの0.39%、新発30年物52回債利回りは0.5ベーシスポイント(bp)高の0.505%を付けている。みずほ証券の山内聡史マーケットアナリストは、「昨日と同じで上にも下にも行かない動意に欠ける展開が続いている」と指摘。「日銀がある程度カーブを操作している中で、値幅が動きづらい」とし、「取引もだんだん細っていくのではないか」とみる。

日本相互証券が仲介する19日の業者間取引で、344回債の売買が成立しなかった。新発10年物が1日を通して取引が成立しなかったのは2015年9月24日以来。日銀が10年債利回りをゼロ%程度で推移するよう操作する金融政策の枠組みを導入したことで、売買低迷が一段と鮮明となっている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「連休の谷間だった前回の取引未成立時よりも、今回の閑散状態はより深刻に見える。イールドカーブ・コントロール政策によって値動きが限られ、海外勢を含む債券投資家による値幅狙いの売買動機はこれまで以上にさらに弱まる方向」と説明。「日銀の追加緩和観測も浮上しなくなっており、新規の売買手掛かりも少ない」とみている。

19日の米国債相場は下落。サウジアラビアによる175億ドル規模の国債発行が重しとなった。10年債利回りは前日比1bp上昇の1.74%程度。一方、米国株は原油高を背景にエネルギー株が買われ、S&P500種株価指数は2週間ぶりに続伸した。

財務省はこの日午前10時半から流動性供給入札を実施。残存期間5年超から15.5年以下の既発国債が対象で、発行予定額は5000億円程度となる。

過去の流動性供給入札の結果はこちらをご覧ください。

Kazumi Miura

最終更新:10/20(木) 10:47

Bloomberg