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【インタビュー】トゥ・ザ・ラッツ・アンド・ウルヴスの新機軸は、“ニューメタル”

BARKS 2016/11/3(木) 14:08配信

デビューアルバム『ネヴァーランド』が本国ドイツのみならず日本でも話題となったエレクトロコア界注目のバンド、トゥ・ザ・ラッツ・アンド・ウルヴスの最新作『デスローンド』が、10月14日にリリースされた。アゲアゲの楽曲中心の攻め倒した前作とは異なり、バラードにも挑戦するなど、音楽性をグッと拡がったセカンド・アルバムだ。

◆トゥ・ザ・ラッツ・アンド・ウルヴス画像

そこでベーシストのスタニスワフ・ツヴィルにインタビューを敢行、より幅広いロックファンに歓迎されるであろうバラエティに富んだ新作について語ってもらった。

──トゥ・ザ・ラッツ・アンド・ウルヴスは、デビュー作『ネヴァーランド』日本盤を2015年に7月にリリースし、同年11月には来日公演を実現させていますね。そのときの思い出はありますか?

スタニスワフ・ツヴィル:多くの日本のファンたちは、最初はシャイなんだけど徐々に打ち解けて話しかけてくれたことを今でも覚えているよ。ショウは2日間だったんだけど、とてもいい時間だった。デビュー作から日本盤をリリースできているし、俺たちは日本に対してとてもいい印象を持っているんだ。

──『デスローンド』は成功を収めたデビュー作に続くアルバムになりますね。とにかく完成度の高さに驚きました。前作との最も大きな違いは何だと思いますか?

スタニスワフ・ツヴィル:最大の違いは音楽性かな。デビュー作では、エレクトロをメタルコアに入れるというのが大きなテーマだったし、パーティ仕様のアルバムを作ることを目標にしていた。今作ではさらに他のジャンルの要素を採り入れている。特にリンキン・パークやリンプ・ビズキットといったニューメタル、ミクスチャー・バンドからの影響が大きい。それに加えてどこか物憂げな落ち着いた曲もある。ただ、俺たちがシリアスなバンドに変わったわけじゃないことだけは言っておくよ。トゥ・ザ・ラッツ・アンド・ウルヴスはトゥ・ザ・ラッツ・アンド・ウルヴスのままなんだ。

──デビュー作と同様、エスキモー・コールボーイのダニエル・ハニスをプロデューサーに起用していますね。

スタニスワフ・ツヴィル:物事がうまくいっているのに、敢えてそこを変えようとは思わない。デビュー作は満足のいく内容だったから、再びダニエルと仕事をしようって話になったのさ。今回もとてもスムーズに作業が進んだよ。

──今作の制作はいつ頃から始めたんですか?

スタニスワフ・ツヴィル:曲を書き始めたのは2015年のどこかだけど、詳しい時期は覚えていないな。レコーディングは2016年に入ってから。メンバーで曲をほぼ仕上げてからプロデューサーのダニエルが加わって彼の経験やアイデアを採り入れながら完成させたんだ。

──曲作りはどのようなスタイルで行っているんですか?

スタニスワフ・ツヴィル:曲を作るとき、俺たちは2つのチームに分かれる。マーク・ドブルク(G)、ダニー・グルデナー(G)、サイモン・ユルドゥルム(Dr)の3人が曲の骨組みを作って、作詞はディクシー・ウー(Vo)、ニコ・ザラッハ(Vo)、そして俺が担当している。それで最後に全員のアイデアをひとつの曲にまとめていくというチーム分業制で作っているんだ。

──一番苦労したところは?

スタニスワフ・ツヴィル:新しいことにトライしたことかな。さっきも言ったけど『デスローンド』にはニューメタルの要素を採り入れている。全く新しいことをやろうとしたわけじゃないけど、トライしたことでバンドを進化させることができた。新作にはバラードもあればパワフルな曲もある、ダークなものもあるしね。結果的にバランスを保ちながらも個性的なサウンドに仕上がったと思っているよ。

──ニューメタルの要素?

スタニスワフ・ツヴィル:うん、グルーヴィでメロディックな部分をとても意識して作ったし、『デスローンド』には2000年前後のニューメタルからの影響が強く出ているとおもう。

──2000年前後のニューメタルといえば代表格はリンキン・パークだと思いますが、お気に入りの作品はありますか?

スタニスワフ・ツヴィル:間違いなくデビュー作の『ハイブリッド・セオリー』だね。セカンド・アルバムの『メテオラ』も素晴らしいし、それ以降の作品も優れているけど『ハイブリッド・セオリー』はミクスチャーというか、何か完全に新しいスタイルの音楽を創造したと思うんだ。初めて聴いたときはとてつもない興奮を覚えたよ。いまでも『ハイブリッド・セオリー』は傑作だと思う。

──『デスローンド』を聴いていると、ニューメタル以外にもいろんな音楽からの影響を感じます。あなたはどんな音楽を聴いて育ったんですか?

スタニスワフ・ツヴィル:この質問はメンバー全員に聞いた方がいいんじゃないかな。俺はパンクからオールドスクールなヒップホップ、もちろんニューメタルも聴いてきた。そのなかでも一番影響を受けたバンドはスリップノットかな。彼らの音楽を聴いてメタルにのめり込んだんだ。トゥ・ザ・ラッツ・アンド・ウルヴスは、メンバーがバラバラの音楽に影響を受けているから、音楽のるつぼみたいな状態になっているんだ。

──アルバムに収められている楽曲中で印象的なものを挙げるとしたら、何になりますか?

スタニスワフ・ツヴィル:ハハハ、難しい質問をするね(笑)。1曲だけ挙げるなら「スターティング・オール・オーヴァー」かな。この曲は繊細でメロディックなイントロから始まって、徐々にとてつもなく大きなエネルギーに包まれていくんだ。その流れがとても気に入っているし、ポジティヴな歌詞も好きなんだ。この曲には、“何か新しいことを始めよう!”っていうメッセージが込められている。

──トゥ・ザ・ラッツ・アンド・ウルヴスが所属するレーベルArising Empireは、Nuclear Blastの社長マーカス・スタイガーが立ち上げに関わったレーベルですよね?

スタニスワフ・ツヴィル:うん、Arising EmpireはNuclear Blastの扱うジャンルよりもさらに特化したジャンルに属するバンドのためのサブ・レーベルなんだ。プロモーションも経済的なサポートも含めて、彼らの仕事ぶりにはとても満足しているよ。

──まだ来日経験は一度だけですが、仲良くしている日本のバンドはいますか?

スタニスワフ・ツヴィル:I Promised Onceとは昨年来日したときに一緒にプレイしてから仲良くしている。他にもcrossfaithとか知っているバンドはいるよ。

──今作も日本でリリースしたことでより多くのファンを獲得できると思います。来日の予定はありますか?

スタニスワフ・ツヴィル:まだ何も決まっていない。でも必ず行きたいと思っているよ。初来日のときは想像をはるかに超える歓迎を受けたし、最高の思い出しか頭に浮かんでこないんだ。ライヴだけしてすぐに帰国するようなハード・スケジュールだったんだけどね(笑)。今年なのか来年なのか、時期はわからないけど必ず日本に戻りたい。そのときは自由時間に日本の文化や食べ物にもっと触れたいと思っているんだ。

取材・文:澤田修

トゥ・ザ・ラッツ・アンド・ウルヴズ『ディスローンド』
2016年10月14日 発売
【完全生産限定スペシャル・プライス盤CD】¥1,800+税
【通常盤CD】 ¥2,300+税
※歌詞対訳付き/日本語解説書封入
1.ライオット
2.ザ・ゲーム
3.スターティング・オール・オーヴァー
4.ディスローンド
5.ナイツ・オブ・ディケイ
6.プロトタイプ
7.アンチ・ヒーローズ
8.アウトブレイク
9.ジ・アビス
10.ラヴ・アット・ファースト・バイト
11.ドレスド・イン・ブラック
12.エンドレス・フォール(ボーナストラック)
13.デヴィル・ウィズアウト・ホーンズ(ボーナストラック)

【メンバー】
ダニー・グルデナー(ギター)
ディクシー・ウー(ヴォーカル)
サイモン・ユルドゥルム(ドラムス)
マーク・ドブルク(ギター)
スタニスワフ・ツヴィル(ベース)
ニコ・ザラッハ(ヴォーカル)

最終更新:2016/11/3(木) 14:08

BARKS