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「和スイーツ」に引き 缶入りおしるこ 復調へ 新たな顧客獲得に工夫

日本農業新聞 2016/12/23(金) 7:00配信

 寒さの本格化に伴い、缶入りおしるこ市場に追い風が吹いている。ロングセラー商品ながら、缶コーヒーの後じんを拝してきたが、元祖・和スイーツとして再評価の動きも出ている。各社とも原料や缶の形状、販路に工夫を凝らし、新たな顧客層の獲得に力を入れる。

 缶入りおしるこは冬場の季節商材として自販機やコンビニエンスストアなどの加温機で販売する。富士経済によると、固定客を下支えに年間販売額はここ5年間、20億円台で推移。暖冬の年は販売が苦戦する傾向がある。

 今シーズンは全国的に寒気が入りやすく、平年並みの冬が見込めることから、飲料各社も売り込みに拍車を掛ける。伊藤園は「大納言しるこ」を柱商品に据える。「北海道産大納言小豆を100%使い、上品な甘味を引き出した」と同社は特徴を話す。今年から飲み口に近い部分をへこませた独自形状の缶を採用、粒入り飲料の宿命である「粒が缶に残る」弊害を減らした。ダイドードリンコも今年、「金のおしるこ」に小粒の小豆を導入し、粒が飲み切れるよう知恵を絞った。

 井村屋は、北海道十勝産の小豆に赤穂の天塩を合わせた「つぶ入りおしるこ」を販売。「国産原料と小豆の風味、濃厚でこくのある味わいにこだわった」と自信をのぞかせる。

 一方、小豆の主産地・北海道では今年、大豆への作付け転換や台風被害も重なって、収量は平年より2割ほど減った。ホクレンは「昨年まで大豊作が続き、保存も効くため、現時点で供給に不安はない」(雑穀課)とみている。

 販路も消費層を見極めた多様化が進む。高速道路のサービスエリア売店(伊藤園)、東海圏のゴルフ場で周年販売(井村屋)など、需要開拓に躍起だ。電子レンジで餅と一緒にマグカップ調理(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)といった家庭でひと手間掛けたメニューも提案し、受験シーズンも視野に普及を呼び掛ける。

 人気の浮揚には、和食ブームと缶コーヒーの販売低迷が背景にある。缶入りおしるこ製造の草分けである遠藤製餡は「コンビニがレジ前コーヒーに参入したことで、缶コーヒーが打撃を受けている」と分析。コンビニとの差別化から、スーパーなど他の業態で甘酒、おしるこなど「和スイーツ」への引き合いが強まっているという。

日本農業新聞

最終更新:2016/12/23(金) 7:00

日本農業新聞

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