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F-15追加配備で那覇空港はどうなる? 「影響皆無」のための工夫とは

乗りものニュース 2016/12/23(金) 16:00配信

スクランブル急増の那覇基地、しかし滑走路は…

 近年、日本の領空に接近する外国機が急増しています。2014年度、航空自衛隊は冷戦終結後で最多となった943回におよぶ戦闘機のスクランブル(緊急発進)を行っており、この10年のあいだで実に7倍に増加しました。

【衛星写真】1本の滑走路を自衛隊と民間で共用する那覇空港

 その主な理由は、南西諸島周辺空域における中国軍の活発化であり、全体のスクランブルのおよそ半数にあたる468回は、那覇基地(沖縄県)に所在する第83航空隊隷下の第204飛行隊(F-15戦闘機)によるものでした。また、2015年度の那覇基地のスクランブル回数は531回と、現在も増加の傾向が続いています。

 こうした状況をかんがみ、政府は南西地域の防空態勢強化を決定。既存の第204飛行隊に加えて新たに築城基地(福岡県)から第304飛行隊(F-15部隊)を移転し、2個飛行隊化。F-15およそ40機体制としたうえで、2016年1月31日に「第9航空団」を新編しました。

 この那覇基地は戦闘機のほかにも、陸海空自衛隊の航空部隊が配備されている日本の防衛最前線ですが、基地に隣接する那覇空港と1本の滑走路を共有しています。那覇空港の民間機発着回数は年間およそ15万回、滑走路1本あたりでは日本一の大空港です。ほとんどひっきりなしに航空機が発着するところへ、「第9航空団」新編にともない飛行隊が倍増したことによって、民間機の運航に支障が出るのではないかと懸念の声も聞こえます。

防衛力の拡充と民間機の利便とを両立させるには

 民間機の安全な航行を保障するには、戦闘機による領空の警戒を怠ることはできません。しかし同時に自衛隊が日本の国防組織である以上、日本の主権者たる国民が利用し、外国人も多数訪れるこの那覇空港の経済活動も同等に重要であり、この先も両立してゆくことが求められます。2015年度には、日本人と外国人あわせて1854万人が那覇空港を利用しました。

「過密」という大きな課題を抱えるここ那覇において、戦闘機飛行隊を倍増させたことによる影響をどのように緩和するのか、元・第83航空隊司令にして現・第9航空団司令、兼・那覇基地司令の川波清明将補に直接、その疑問を投げかけてみました。

「第9航空団の新編により築城から第304飛行隊が来ることによって、F-15の数は約40機となりました。ただ、これまでの第83航空隊は第204飛行隊のみの1個飛行隊で広大な南西地域を担当しておりましたので、通常の飛行隊(約20機)よりも少し多めにF-15が配備されていましたから、実際は2倍とまではなりません。また民間機の離発着の回数というのは常に一定とは限らず、多い時間少ない時間の波がありますので、混雑のピーク時には我々の訓練を集中させず、そして離発着が少ないときに我々の訓練を分散させる、そういった形でなるべく民間の運行に大きな影響を与えないように、かつ我々の訓練はしっかりできるような工夫をしようと思っています。また一部のF-15をほかの基地に移動させて、そこで訓練をするということも考えております」(第9航空団司令 川波将補)

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最終更新:2016/12/23(金) 17:48

乗りものニュース