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ホームレス女性が生理をどう乗り越えるか、考えたことありますか?

BuzzFeed Japan 1/2(月) 13:37配信

ナディア・オカモトはハーバード大学に通う18歳の学生。学業の傍ら、自ら設立した「カミオンズ・オブ・ケア」という非営利団体を通じ、ホームレスの女性たちに生理用品を配る活動をしている。オカモトは、生理は恥ずかしいという思い込みをなくし、生理中に衛生的に過ごすことを当たり前にしたい、と願っている。
【Caroline Kee /BuzzFeed Japan】

「これまで私たちは、シェルターや路上にいるホームレスの女性たちにタンポンや生理用ナプキンが詰まった、何千もの生理用品のパッケージを配布してきました」と、オカモトはBuzzFeed Healthに話した。

オカモトの非営利団体には、高校や大学などに40以上の支部があり、生理用品の寄付を募っている。同時に、アメリカ国内や海外の女性たちに、集めた生理用品を届けるための資金集めの活動をしている。

オカモトがこの活動を始めた背景には、彼女自身のホームレス経験がある。15歳の時に母親が失業してから、オカモトは姉妹たちとホームレス生活や、友人の家を泊まり歩くなどして、7カ月間を過ごした。

「私は9歳までニューヨーク市で過ごしました。両親の離婚後、母と姉妹と私はオレゴン州のポートランドに移りました」。高校1年生の春までは、彼女の生活は至って普通だった。しかし、母親の失業で家賃を払えなくなり、7カ月間、彼女の家族は法的にホームレスとなり、友人の家に泊まったり仮設住宅に住んだりした。

「私たちは常に屋根のある場所にいることができましたが、私は自分の生活状況に落ち込んで不安を感じていました。特に、私は普通のティーンエージャーのように学校についていかなければならなかったから」とオカモト。

生理用ナプキンやタンポンのお金の心配などは一番したくなかった。けれど、生理用品の準備ができなかったため、体育や学校を休む必要があった、と話した。

2時間かかった通学の途中で、彼女はポートランドに住むホームレスの女性たちに会った。彼女たちが生理用品の代わりに、古い紙袋や布やゴミ箱から拾った新聞を使っている、と聞いた。

安全に眠れる場所、食べ物、暖かい衣服を見つけることを一番に心配しなくてはならない時、多くの女性たちは安くて簡単な方法で生理に対処するしかない。

生理中の衛生状態がよくないと、その結果として細菌性膣炎、尿路感染症、命に関わる可能性のある毒素ショック症候群になってしまうこともある。

ホームレスの女性たちはタンポンや生理用ナプキンをとても必要としているのに、多くのシェルターは生理用品を支給していない。

「ホームレスの女性たちは、まず、生理について話すことさえ嫌がる。まして自分で主張したり、シェルターに生理用品がほしいとお願いすることなんて絶対にしません。とても不名誉なことだと思っているからです」

多くの女性たちが生理用品が欲しい、とお願いすることを恥ずかしがるので、シェルターや非営利団体で生理用品のための資金が確保されていない、とオカモトは言う。そのため、食べ物や衣服とは異なり、ほとんどのシェルターや非営利団体では、生理用ナプキンやタンポンを支給する持続的なプログラムが存在しないという。

「全体的に需要と供給が悪循環になっていて、本当に必要としているホームレスの女性たちに、生理用品が行き届かないのです」

「生理用品をあげたり、女性たちに私たちが生理のことを心配していると伝えてあげる。そういう単純な行動に大きな意味があると気づいたので、この団体を始めたいと思いました」

「ホームレスの女性たちがどんな経験を強いられてきたか、なぜ女性たちの生理時の衛生状態を改善することに特化した組織が存在しないのかを考えると、私は眠ることができなくなりました」

彼女の家族が再び経済的に安定して家に戻れた後、オカモトは「カミオンズ・オブ・ケア」を設立した。「これは若者が運営している非営利団体です。支援、教育、調査を通じて生理時の衛生状態の問題を解決し、支援することを目的としています」

地元のホームレス・シェルターに、2回目の生理用品のパッケージを届けた時のこと。一人の女性が、自分の生理を心配してくれる人がいるということにとても驚き、泣き始めたという。「その時のことを思い出すと、今でも涙がでます。この活動が、女性たちにどれだけ必要とされているか、気づかされました」と、彼女は話した。

カミオンズ・オブ・ケアは、一回の生理に十分な量のタンポンとナプキンを、一つのパッケージに詰めている。そして地元のシェルターと提携して、女性たちに支給している。

一つのパッケージには、タンポンが9個、おりものシートが5個、大きい生理用ナプキンが4個入っている。彼女によると、惜しみない寄付のおかげでカミオンズ・オブ・ケアは1ドルでこのパッケージを一つを作ることができる、という。カミオンズ・オブ・ケアは、この「ケア・パッケージ」に生理用品を詰めるイベントも開催している。

オカモトは以前、はポートランドのシェルターや路上で暮らす女性たちに自らパッケージを届けていた。さらに広い範囲で女性たちに生理用品を届けるため、オカモトとカミオンズ・オブ・ケアの40の支部は、アメリカ全土の都市にあるシェルターや非営利団体へパッケージを送っている。

ここ2年間でアメリカの17の州と9カ国に2万5千個以上のパッケージを支給してきた。

オカモトたちは、仮設住宅に住んでいて清潔なトイレが使える女性たちには月経カップや再利用可能なナプキンなど、継続的に使える製品を支給しようとしている。

今では、この生理用品パッケージに対する要望が非常に高まり、複数のシェルターからの依頼を断らなくてはならなかったという。しかしオカモトはこの状態が一時的なものであってほしいと願っている。

生理は恥ずかしいという思い込みをなくし、世界中で生理中に衛生的に過ごすことを当たり前にするために、カミオンズ・オブ・ケアを拡大するのがオカモトの願いだ。

「私たちは現在、1カ月に1500個のパッケージを支給しています。また支給できる数を増やせるように、資金提供者のネットワークをつくり、財源を安定させるため、動いています」と、オカモトは語る。

オカモトの1つの目標は、アメリカに住むホームレスの女性たちの生理時の衛生状態に関する調査とデータ収集をさらに実施して、女性たちのニーズと、活動の効果を確認することだ。

「生理の時に衛生的に過ごせることが当然の権利になり、特別なことでなくなった時、私たちの仕事は終わります」

最終更新:1/5(木) 18:25

BuzzFeed Japan

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