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風力発電市場は2030年に10兆円に迫る、国内市場は7倍に

スマートジャパン 1/6(金) 9:10配信

 調査会社の富士経済は2016年12月27日、陸上および洋上風力発電システムの世界市場の調査結果を発表した。2016年の風力発電システムの世界市場規模(新設)は、5兆9119億円と予測している。2015年より13.5%の減少となるが、その後2017年以降は拡大していく見通しだ。同調査の予測では、2030年の世界市場は9兆7200億円にまで拡大すると予測している。

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 2016年の市場減少の要因として指摘するのが、中国市場における陸上風力の動向だ。中国では2015年に過去最高となる風力発電の導入量を記録し、世界市場の5割を占めた。一方、2016年はFIT価格の低下や、系統の弱い好風況エリアの新設を規制したためマイナス成長が見込まれる。しかし今後は、低風況エリアに市場が形成されると考えられる他、「第13次5カ年計画」においては風力発電の導入目標を2020年に210GWに引き上げている。このことから、今後も年間20~25GWのペースで風力発電所の新設が進む見通しとした。

 米国は風力発電の発電量に応じて税金を還付するPTC(Production Tax Credit)制度が2015年末に失効したことから、2016年はマイナス成長が見込まれるが、その後2019年まで延長が決まったこともあり、中期的にはプラスに転じるとみられる。今後は低風況エリアでも採算がとれる大型風車による大規模システム開発を中心に、リパワリング市場も活発になると予想される。

 欧州は、風力発電システム市場の黎明期より拡大を牽引してきたが、各国はFITから入札制度に変更しつつあり、イタリア、ルーマニアなど、財政事情の厳しい国から大規模な政策転換が始まっている。現在は政策支援が残るドイツ、フランス、ポーランドなどで需要が期待できるが、2017年以降ドイツはFITから競争入札への移行が検討されている。

 今後は、東欧市場の開拓、既設風車のリパワリング市場の成長が予想されるが、2020年以降は縮小していくと予想。その他国・地域は、人口増加とそれに伴う新設電源に対する需要が大きく、特に国内資源が少ない国・地域ではエネルギー自給率向上を目的に導入が進む。現在需要が拡大しているのはブラジル、インド、カナダ、トルコ、メキシコなどで、特にブラジルの伸びが大きいという。また、2030年になると中南米、インド、アフリカ、中東などが中国と肩を並べる需要規模になると予想している。

 洋上システムの世界市場は、これまでの導入拡大をけん引していたイギリスに加え、ドイツで稼働案件が集中したことから2015年に3GW超えとなった。2016年は、2014年の洋上FIT開始により中国市場が本格化してきたことに加え、米国でも初の開発案件の稼働が見込まれる。洋上風力発電は1サイトの開発に多くの時間を必要とするため、本格的市場形成は2020年代後半になると予想する。欧州、中国以外のエリアは、洋上風力発電の導入を後押しする政策を整備中であり、今後は日本、台湾、韓国、米国、インド、ブラジルなどで市場形成が期待されるとした。

国内市場の動向は?

 風力発電システムの国内市場(新設)陸上システムの国内市場は、2012年に始まったFITを追い風に、2014年頃から拡大基調にある。今回の調査では2016年の市場規模は321億円で、2030年に2160億円まで拡大すると予測している。

 こうした市場拡大に向けて、課題となるのが出力制御の問題だ。2015年は太陽光発電大量導入により系統容量が抑えられたことから、2016年に風況のよい北海道では新規接続申請分から出力制御が無制限でかかる状況であり、東北電力と九州電力も無制限出力制御の時期が迫っている。現在環境アセスメント審査中の案件を含め2022年頃まで導入が進むとみられるが、さらなる導入には系統増強、間接オークションの導入、1000時間出力制御、無制限出力制御時の政府補償など、何らかの制度が必要と分析している。

 2020年以降は、2000年以前に導入した小規模風力発電システムのリパワリング市場の形成も予想される。洋上システムの国内市場は、2015年の洋上風力発電専用FITの設定、2016年の港湾法改定などで市場環境が整い、新規参入企業が増加しているが、北海道、東北、九州といった風況のよい地域は、陸上・洋上ともに系統容量不足のため、無制限出力制御またはその対象となっており、開発が停滞傾向にあると指摘。また、洋上風力発電システム市場の本格拡大には港湾外の一般海域の法整備が不可欠であり、系統問題を含めた法整備が必要とした。

最終更新:1/6(金) 9:10

スマートジャパン

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