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銀行の経営動向、11月の貸し出し2.4%増 不良債権はリーマン・ショック後、最低水準に

MONEYzine 1/7(土) 18:00配信

 日銀が12月8日に発表した「貸出・預金動向 速報(2016年11月)」によると、銀行と信用金庫をあわせた11月の貸出残高は504兆4,809億円で、前年比で2.4%増加した。四半期別でみると、4月から6月が同2.1%増、7月から9月が同2.1%増と増加が続いている。11月の貸出残高を金融機関別にみると、都銀が206兆9,486億円で同1.2%増、地銀が231兆6,404億円で同3.6%増、信用銀行が65兆8,919億円で同2.3%増だった。日銀による金融緩和政策が続く中、地銀を中心に貸し出しを伸ばしているようだ。

 そんな中、東京商工リサーチは、国内112の銀行の2016年9月中間期単独決算ベースで「リスク管理債権」の状況を調査し、その結果を12月20日に発表した。リスク管理債権とは、破綻先債権、延滞債権、3カ月以上延滞債権、貸出条件緩和債権などの不良債権のことで、金融機関は銀行法等に基づいて公表することが義務付けられている。

 発表によると、国内112の銀行の2016年9月中間決算のリスク管理債権の合計は7兆6,448億1,700万円で、前年同期比7.7%減少した。前年同期を下回るのは4年連続で、リーマン・ショック直前の2008年9月中間期以降では過去最低となった。過去の推移をみると、2008年9月中間期のリスク管理債権の合計は11兆6,694億9,600万円で、2013年9月中間期まで10兆円を上回っていた。一方、貸出金に占めるリスク管理債権の比率は1.5%で前年同期の1.7%より低下し、こちらも2008年9月中間期以降では過去最低となった。

 リスク管理債権の内訳をみると、「延滞債権」が5兆3,488億円で前年同期比10.2%減少、「3カ月以上延滞債権」が991億円で同5.8%減少、「貸出条件緩和債権」が1兆8,973億円で同3.5%減少した。一方、「破綻先債権」は地方銀行で前年同期を下回ったものの、大手行がリスク管理債権や海外債権の処理などに動き、全体では同19.2%増の2,992億円となった。ただ、破綻先債権はリーマン・ショック直後の2009年9月中間期は1兆3,367億円に達しており、当時と比較するとその割合は2割程度の水準にとどまっている。

 金融緩和によって銀行の収益力への影響が問題視されているが、貸し出しの増加や不良債権の減少などについては、改善が見られるようだ。

最終更新:1/7(土) 18:00

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