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慰安婦像に異例の強い措置 政府「反日無罪」許さず

産経新聞 1/7(土) 7:55配信

 政府が韓国・釜山(プサン)の総領事館前の慰安婦像設置をめぐり、異例の強硬な対抗措置に出た。背景には、2015年12月の日韓合意に基づく義務を韓国側が果たしていないことを印象づけることで、国際世論の支持を得られるとの計算がある。年内の韓国次期大統領選も見据え、安易な「反日無罪」はもう通用しないとくぎを刺したい考えだ。(杉本康士)

 「徹底的にやる。道徳的に優位に立って言う」

 外務省幹部は6日、慰安婦像設置への対抗措置について、こう説明した。「道徳的な優位」とは、日本側が国際社会が注視する中で結んだ日韓合意に基づき、元慰安婦支援などへの10億円拠出を行っているのに対し、韓国側に事態打開に向けた動きが見られないことを指す。韓国政府が努力を約束したソウルの日本大使館前の慰安婦像は、撤去されないばかりか、新たな慰安婦像設置も黙認していることで韓国政府の不誠実さが際立った。

 駐韓大使の一時帰国は約4年半ぶりとなるが、総領事館員の釜山市の行事参加見合わせは「過去に記憶がない」(日韓外交筋)というほどの異例の措置だ。菅義偉官房長官が6日の記者会見で対抗措置を発表したのに先立ち行われた安倍晋三首相とバイデン米副大統領の電話会談では、日韓合意の履行を「強く期待する」との発言をバイデン氏から引き出した。

 日本政府は年明けから対抗措置の本格検討に着手したが、発表は安倍首相とバイデン氏の電話会談後のタイミングとなった。日本の「道徳的優位」が国際的に保証された上での発表という形だ。日米外交筋は「安倍首相は戦略家だ。そういうことも当然、念頭に置いている」と指摘する。

 一連の対抗措置に韓国世論が反発してくることも日本政府は織り込み済みだ。外務省幹部は、「韓国世論が反発しても不快感は示さなければいけない。韓国側にメッセージを送る必要がある」と語る。

 韓国の次期大統領選では主要候補が日韓合意の見直しを求めることが予想される。そうなれば国際約束違反となり、韓国にとって日韓通貨交換(スワップ)の取り決め協議の中断など実害を被るうえ、国際的な理解も得られない-。日本政府が出した「メッセージ」は、現政権のみならず、次期政権にも向けられている。

最終更新:1/8(日) 17:26

産経新聞

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