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アナログレコード国内唯一の一貫生産 人気再燃で工場フル稼働 

産経新聞 1/10(火) 11:05配信

 国内で唯一、レコードの原盤作製からプレス、ジャケット作製まで一貫した生産対応ができる東洋化成末広工場(横浜市鶴見区)では、生産がフル稼働の活況となっている。かつてコンパクトディスク(CD)に取って代わられ、衰退したかに思われたアナログレコードの人気が再燃しているためだ。さらなる生産増に向け、設備投資や人員増に向け動き始めた。

 工場内では、一時期、3台にまで減ってしまったレコードのプレス機が、今は7台体制になり、スタッフも慌ただしく動き回り、製造にあたっている。LPレコードの場合、30秒に1枚程度、一日約800枚が生産される。機械を使ってはいるが、一点一点、不良の有無を確認するなど、かなり人の手がかかっていることがわかる。

 同社では、昭和30年代~50年代のレコード全盛時代は、レコード会社各社が自社製造の追いつかないレコード生産を請け負ったり、自主制作などのレコード製造が主だった。過去に危機は何度もあり、57年に登場したCDに押され、一気にレコード需要が減少。1990年代に一旦、DJブームでアナログレコードが脚光を浴びたが、長続きはしなかった。同社レコード営業課の小林美憲課長によると、「最大の底は東日本大震災などがあった平成23年ごろ」だったが、ここ数年、往年のレコードファンの需要の高まりや、若者がロックやJ-POPのアナログ盤をあえて選んで楽しむなどのトレンドが出始め、生産量は「底だった23年比で現在は約5倍の量」という。

 40年以上レコード製造一筋で、ミリオンセラー作品のプレスなども手がけてきた製造部の粟野張男さん(64)は「レコードの音には厚みや深みがあって、特に若い人に、良さを伝えることができたらうれしい」とし、「製造部門の若手の育成にも力を入れたい」と意気込む。小林課長は「もともと盛んな横浜のものづくりと、音楽がより強く結びついたらうれしい」とし、一過性ではない、レコード文化の発展に期待を込める。

 (横浜総局 那須慎一)

 LPレコード LPは「Long Playing」の略。米国のコロムビア社が1948年に開発した主に樹脂製の長時間再生レコード。回転数は1分間に33と3分の1回転。直径30センチが標準で、その場合は演奏時間が片面20分前後。直径25センチのものもある。

最終更新:1/10(火) 11:05

産経新聞

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