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「CES2017」つながる技術、前面に UI技術の重要性増す

日刊工業新聞電子版 1/9(月) 12:41配信

UI重視するソニー

 米ラスベガスで8日(日本時間9日)まで開催中の世界最大の家電見本市「CES2017」。従来の主役である家電から自動車、ロボット、産業機器までテーマが広がる中、各社の打ち出す戦略に共通するのは「コネクティビティー」(つながる技術)だ。IoT技術が普及し、今後は機器のネット接続が当然になる。重要性を増すのは、機器と人がつながるためのユーザーインターフェース(UI)だ。

 家電分野は今回、ネットに接続して買い物や調べ物などのサービスを提供するホームアシスタント機器やロボットがいくつも登場した。UIは音声認識技術とユーザーの好みなどを学習する人工知能(AI)技術が基になる。その上で各社が工夫を凝らすのが、機器・ロボットの外観や動きだ。ユーザーに愛着や快適さを感じさせることがUIの重要な要素になる。

 消費者向け製品にこだわるソニーはUIを重視する。最終顧客との接点である「ラスト・ワン・マイル」を巡って物流・小売り業がサービス競争を繰り広げることになぞらえて、ソニーの平井一夫社長兼最高経営責任者(CEO)は「ラスト・ワン・インチでユーザーとつながる」と述べ、UI技術で他社と差別化する戦略だ。

 家電から企業向け(B to B)システムへシフトするパナソニックも家電で培ってきた使いやすさなどUI技術を強みに掲げる。音響・映像(AV)製品を担当してきた同社の本流部門「AVC社」は4月に組織改編し、名称を「コネクティッドソリューションズ社」に変更する。航空機、物流・流通、公共など六つの重点業界を設定しB to Bへ本格的に舵を切る。得意のハードウエアと通信の技術で顧客と密接につながって課題解決型のシステムを提供する。

いかに運転手の覚醒度を保つか

 自動車産業でもUIの重要性は増す。自動運転技術の開発が進む中、「走る」「曲がる」「止まる」の基本性能向上だけでなく、AIの音声認識精度や車載機器の操作性を高める必要があるためだ。

 CESではトヨタ自動車やホンダが独自のAIを搭載するコンセプト車を披露した。AIが運転手の感情や好みを理解し、自動運転モードを人の運転に切り替えてもいいかなどを判断し、安全な運転を実現する。

 2020年代前半の実用化が見込まれる「レベル3」の自動運転では、緊急時以外の運転をAIが担う。トヨタ幹部は「レベル3の自動運転では、いかに運転手の覚醒度を保つかが大切だ」と指摘。視覚、触覚など人の五感を刺激し、運転手の集中力を高める研究をしているという。

 部品メーカーの展示では、スマートフォンと連動する車載システムの展示も目立つ。例えばカーナビの画面からスマホを操作し、電話をかけたりメールを読み上げたりするシステムなどだ。こうした技術は車載インフォテインメント(IVI)と呼ばれ、AIと並び成長著しい分野だ。

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最終更新:1/9(月) 12:41

日刊工業新聞電子版

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