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釜山・慰安婦像設置 「言動を自制すべきだ」日韓関係悪化に韓国大統領代行が懸念

産経新聞 1/10(火) 18:34配信

 【ソウル=名村隆寛】韓国で職務停止状態の朴槿恵(パク・クネ)大統領の代行を務める黄教安(ファン・ギョアン)首相は10日の閣議で、慰安婦問題について「状況悪化を招きかねない言動は、自制することが韓日関係の未来志向的な発展のために望ましい」と述べた。

 黄氏の慰安婦問題への言及は、釜山(プサン)の日本総領事館前での慰安婦像設置に対し日本政府が駐韓大使らを一時帰国させるなどの措置を取って以降、初めて。

 黄氏は「各界で両国関係を憂慮する声が出ている」とした上で、2015年12月の慰安婦問題に関する日韓合意を履行する意思を確認。「両政府だけでなく、全当事者が合意の趣旨と精神を尊重し、韓日関係発展のため努力し続けることが必要だ」と語った。

 日本の対抗措置について韓国では「強硬措置」「過剰な反応」(韓国メディア)として批判が出ており、野党各党は日韓合意の破棄や再協議を公然と主張している。こうした合意反対や政権批判は、年内に行われる次期大統領選に向け、国内世論を意識した政治的な狙いもうかがえる。

 黄氏の発言は、韓国で日本を過度に刺激するような批判が出ていることを念頭に、対日関係の悪化やさらなる対抗措置を懸念した発言とみられる。像を設置した市民団体など合意に反対する世論に合意を認めるよう、暗に促したかたちだ。

 しかし、日本の対抗措置に韓国政府は当惑する一方で、日本側が強く抗議する釜山の慰安婦像には世論に押され手出しできない状態だ。日韓合意で韓国政府が「解決への努力」を約束したソウルの日本大使館前の像も撤去されていない。

 韓国世論を意識したとされる黄氏の発言だが、韓国では「攻勢を強める安倍晋三首相へのメッセージとみられる」(聯合ニュース)との一方的な解釈もある。

最終更新:1/10(火) 18:34

産経新聞