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【マエケン夫人の告白1】2月キャンプでいきなり洗礼

東スポWeb 1/11(水) 11:01配信

【元局アナ青池奈津子のメジャーオフ通信・特別編:マエケン夫人・早穂さんが明かす「前田家裏日記」(1)】昨年、広島からポスティングシステムでドジャースに移籍した前田健太投手(28)は日本人新人投手最多タイとなる16勝(11敗)を挙げ、チームのナ・リーグ西地区4連覇に貢献した。その右腕の活躍は奥様・早穂さんのサポートがあったからこそ。様々な困難に直面したメジャー1年目、前田家はどう乗り越えたのか。早穂さんに明かしてもらった秘話を今日から5回連続でお送りします。

 まず聞いたのは2月にアリゾナ州グレンデールで行われたスプリングトレーニング。そう切り出すと早穂さんは「ふふ」と思い出し笑いをしながらこう明かしてくれた。「アリゾナは、契約してから全く時間がなくて。ロサンゼルスへの引っ越し準備などもしていたから、キャンプ地での良い家が全然見つからなかったんですよ。すごく微妙なコンドミニアムに住んじゃったもんだからもう大変で! 料理するだけで火災報知器が『ピーッ』てすごい音で、そのたびに寝ている娘が起きちゃうし、トイレは詰まるし…」

 ここまでは米国暮らし“あるある”だが、次のはなかなかレベルが高い。「お湯も出ない! 使っちゃうとタンク式だから出なくなっちゃって、毎日鍋でお湯を沸かしてお風呂に入れて漬かっていました。しかもね、電気コンロだったんですよ」。キャンプが行われている2~3月の時期、アリゾナの朝晩はかなり冷え込む。まだ幼い娘さんの体を冷やしてはいけないと、鍋3つを同時に沸かしてお風呂に漬かる毎日だったそうだ。前田選手はキャンプ施設内のクラブハウスでお風呂に入れたことがせめてもの救いだった。

 続いての難関は…。「怖かった! とにかく怖かった」という車の運転。ニューヨークのような大都市ならともかく、アリゾナやカリフォルニアは車でなければ、スーパーの買い物へも行けない。

 しかし、初のメジャーキャンプで張り詰める夫に少しでもいつも通りに過ごしてほしい、慣れない環境で体調管理には特に気を使いたいとあって、現実は怖がっている暇はなかった。仕方なく最高速度120キロ超の高速道路でビュンビュン飛ばす車に交じってやっとの思いでたどり着いたスーパーは、サイズこそスタジアム級に広いのに必要なものが見つからない。「薄切りのお肉や日本で売っているような野菜もなかったので、まず選ぶのが大変でした。しょうゆなどの調味料はある程度持って行きましたが、後から必要なものが出てきて。車で1時間ほどのフェニックスに小さな日本食スーパーが1軒あるんですが、生鮮食品は売っていないので冷凍のうどんや納豆などを購入したり…」

 どうしても欲しい材料が揃わなかった時は「もう諦めました」というから、なんとも潔い。実際、メジャーのキャンプは休日が1~2日しかないため、悩んでいる時間はなかったのだ。

 これ以外でも、娘さんが通えるプリスクールを探したり、愛犬の世話もしたり、夫を支える通訳さんやトレーナーさんの分の食事も作っていたというから、聞いているだけでも目が回りそう。全ては「家族が安心できる環境をつくりたいから」。会話の中でたびたび耳にした早穂さんのぶれない信念が前田家を支えた。

 昨年1年取材した前田選手はカリフォルニアの気性に合うマイペースな明るい方だが、早穂さんを知れば知るほど、彼女をパートナーに選んだ前田選手の株が私の中で上がっていく思いだった。

次回は笑顔でキャンプを送っていた前田選手が実は「×××していた」…。

 ☆まえだ・さほ=1985年7月19日、千葉県生まれ。フェリス女学院大時代、テレビ神奈川「みんなが出るテレビ」でリポーターを務める。在学中に「ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスター」の資格を習得。2008年4月、東海テレビにアナウンサーとして入社。10年10月末に退社後、フリーに転向。15年2月、初のレシピ本「前田家の食卓」(幻冬舎)出版。

最終更新:1/11(水) 11:29

東スポWeb