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韓国外交八方塞がり 中国軍機が防空圏に侵入、THAAD問題に報復

産経新聞 1/11(水) 7:55配信

 ■軍事交流全面中断も

 【ソウル=桜井紀雄】米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備をめぐり、中国が安全保障分野でも“報復”を始めたとの見方が韓国で出ている。中国軍機の編隊が韓国の防空識別圏に侵入したほか、韓国との軍事交流を全面中断したとも伝えられる。

 聯合ニュースによると、中国軍のH6爆撃機6機など10機余りが9日、韓国・済州島(チェジュド)南方にある、中韓が管轄権を争う海中岩礁、離於(イオ)島(中国名・蘇岩礁)近くの識別圏に数時間にわたって複数回侵入した。

 中国軍機の侵入は昨年も数十回確認されているが、爆撃機の編隊の侵入は極めて異例だという。十数機のうち8機は対馬海峡上空を往復しており、専門家らは、日本に加え、THAAD配備を決めた韓国にも警告を発する狙いだと分析している。

 韓国紙、中央日報は9日、THAAD配備を決めた昨年7月以降、中韓国防相間のホットラインは途切れ、全ての軍事交流が中断していると報じた。韓民求(ハンミング)国防相の訪中の打診にも応じず、2011年から開かれてきた次官級国防戦略対話も白紙になったという。

 ◆日・米・北とも見通せず

 韓国では、中国がTHAADの“報復”として韓流スターや韓国製品を中国から締め出す「禁韓令」を出していると反発が高まっている。だが、中国の習近平政権は、弾劾で大統領の権限が停止され“死に体”となった朴槿恵(パク・クネ)政権を相手にせず、野党訪中団を歓待するなど次期政権を見すえた姿勢を露骨に示している。

 不透明になっているのは対中関係だけではない。釜山(プサン)の慰安婦像設置で日韓関係は悪化し、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を示唆。トランプ次期米政権との米韓関係も見通せず、韓国は外交安保で“四方塞がり”だと憂慮する声も上がっている。

最終更新:1/11(水) 8:01

産経新聞