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貧富の差拡大の余波指摘も 米の平均寿命が22年ぶりに低下

日刊ゲンダイDIGITAL 1/12(木) 9:26配信

コラム【ニューヨークからお届けします】

 国立健康統計センターが先日、米国人の最新の平均寿命を発表しました。それによると、2015年の平均寿命は78.8歳。前年より0.1歳短くなっており、国民の間に驚きが広がっています。なぜなら、平均寿命は国の医療・衛生水準とともに上昇するとされているから。1993年に平均寿命が下がった時は、エイズの蔓延で死者が増えたことが原因でした。

 では、今回は何が関係しているのか? 死因1位の心臓疾患の死者数は増えているものの、その数はわずか。2位のがんに至っては死者数が減っており、どちらも無関係と考えられます。

 平均寿命と関係しているとみられているのが、死因4位の事故死(交通事故やドラッグ過剰摂取など)、6位のアルツハイマー病、10位の自殺です。特に、ドラッグやアルコールの過剰摂取、自殺は「絶望死」とも呼ばれ、関係が深いとされています。

 さらに、指摘されているのが「貧富の差の拡大」です。米国では、少数の富裕層がますます豊かになる一方で、貧困層が増え、大きな社会問題となっています。この貧富の差と平均寿命の関係を「ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」が調査しました。

 すると、収入上位1%の平均寿命は、下位1%と比べ、男性で14.6年、女性で10.1年も長かったのです。また、下位5%の平均寿命は、過去15年間でほとんど伸びていないことも分かりました。もし、今後も貧富の差が広がっていけば、米国の平均寿命は、さらに下がるかもしれないと警戒する声も出ています。
(シェリーめぐみ/ニューヨーク在住ジャーナリスト)

最終更新:1/12(木) 9:26

日刊ゲンダイDIGITAL

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