ここから本文です

キリン、クラフトビールで「楽しさ」提案

ITmedia ビジネスオンライン 1/12(木) 19:39配信

 キリンビールは、クラフトビールの販売を強化する。多品種のクラフトビールを1台の小型サーバで提供できる「タップ・マルシェ」を提案。2017年に首都圏の飲食店1000店へ導入を目指す。ビールの消費量が縮小傾向にある中、クラフトビールをビール市場活性化の切り札と位置付ける。

【「タップ・マルシェ」の専用ディスペンサー】

 1月12日、都内で17年の事業方針発表会を開いた。17年のビール類(ビール・発泡酒・新ジャンル)の販売数量を前年比1.9%増の1億3670万ケースとする計画を発表した。

 16年のビール類の実績は前年比5.5%減の1億3410万ケース。「大変厳しい1年」(布施孝之社長)だった。「47都道府県の一番搾り」が好評だった主力のビール「一番搾り」は前年を0.9%上回ったものの、ビール全体では1.9%減。また、「のどごし〈生〉」をはじめとする新ジャンルが8.8%減と苦戦したことが響いた。

●「選ぶ楽しさ」を提案

 17年は、ビール市場全体の活性化を目指し、ビールの魅力向上に力を入れる。一過性のブームというイメージが強いクラフトビールを1つのカテゴリーとして確立させることを目的に、クラフトビールを体験できる場を増やしていく。

 その取り組みの1つがタップ・マルシェだ。1台で4種類のクラフトビールを提供できる小型ディスペンサーを2年かけて開発。ディスペンサーに設置するビールの容器は、簡単に交換できる3リットル入りの小型ペットボトルを採用した。

 タップ・マルシェで取り扱うブランドは「グランドキリン」のほか、14年にキリンが立ち上げた「スプリングバレーブルワリー」や、「よなよなエール」で知られる「ヤッホーブルーイング」、米メーカーの「ブルックリン・ブルワリー」。クラフトビールに接する機会を増やし、「選ぶ楽しさを感じてもらう」(布施社長)ことが狙いだ。

 4月から1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で展開を開始。初年度は1000店舗に導入し、18年以降にさらに拡大を目指す。クラフトビールの販売に意欲的な飲食店に対して提案していくという。

 クラフトビール市場でキリンのシェアは3割。21年には6割のシェア獲得を目指す。布施社長は「ビール市場では季節商品やプレミアムビールを強化する動きが目立つが、それだけではビールのカテゴリーを魅力的に感じてはもらえない。クラフトビールは手間暇がかかるが、ビール市場を活性化するためには絶対に必要だ」と力を込める。

●「のどごし」は新提案

 一方、16年に苦戦した新ジャンルについては、リニューアルと新商品で復権を目指す。「のどごし〈生〉」は、15年に季節限定品などが好調だったことから、「16年もその施策をなぞってしまった」(布施社長)ことが不振の要因だという。消費動向が絶えず変化する中で、目新しさを打ち出せなかった。

 17年は、上質な味わいの新商品「キリン のどごし スペシャルタイム」を4月18日に発売する。のどごしブランドとしては初となる、麦100%の通年販売商品。うまみと後味の爽快さを両立させた。「気持ちを明るく前向きにしてくれる」商品として新たな提案につなげる。

 主力ののどごし〈生〉は1月下旬にリニューアルする。うまみやキレをより感じられるように改良し、生ビールのようなのどごしを目指した。パッケージも刷新する。

 のどごしブランド全体の17年の販売目標は、3.9%増の4490万ケース。ブランド力の強化で再成長を目指す。

最終更新:1/12(木) 19:39

ITmedia ビジネスオンライン

Yahoo!ニュースからのお知らせ