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窮地の東芝。半導体メモリー事業の分社濃厚

ニュースイッチ 1/12(木) 14:10配信

新工場の建設を検討、資金確保に選択肢少なく

 東芝が再び大幅な事業構造改革に着手する公算が大きくなっている。10日に米原子力発電事業に関する巨額損失リスクについて金融機関向けに説明。三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行の主力3行が支援継続を表明し当面の資金繰り不安は和らいだ。しかし中長期的には原発と半導体メモリーの両事業の位置付けをどう見直すかが焦点になる。稼ぎ頭として東芝全体を支える半導体メモリーを巡っては分社化・上場する案が検討されている。

 東芝は半導体メモリーの新工場を建設する検討を始めた。早ければ2019年の着工を目指している。稼ぎ頭である半導体メモリー事業は、東芝の収益を支える屋台骨だ。事業の維持、成長には継続的な投資が欠かせない。分社化を選択肢の一つとして、資金確保にめどをつける意向。

 NAND型フラッシュメモリー市場では、韓国サムスン電子に次ぐ2位につけている。両社は現在、大容量化など性能向上が可能な3次元構造NAND(3DNAND)で設備投資を加速しており、手を抜けばシェア争いに敗れてしまう。
 
 最大市場であるスマートフォンの大容量化や、クラウド利用の増加によるデータセンター向け、フィンテック(金融とITの融合)など新分野の伸長が、メモリー需要を押し上げている。好調な環境は17年度上期までは続く見通しで、「賭ければ勝利が確実な市場」(半導体装置メーカー首脳)との声がある。

 しかし原発設備事業の巨額損失により東芝の財務基盤がさらに脆弱(ぜいじゃく)化し、このままでは投資もままならない状況に陥る。そこで現実味を帯びるのが、メモリー事業の分社、上場だ。

 また早急に課題事業のリストラも進める必要がある。対応策の一つとなる事業売却について、社外取締役は「すでに売れるものは少なくなってはいるが、いろいろなオプションはある」と話す。

 2016年4―9月期決算では、送変電・配電、産業システム、システムLSIなどデバイス、テレビの各事業の苦戦が明らかになった。まずはこれら課題事業の縮小やテコ入れが不可欠となる。

 そうなると事業資産(ポートフォリオ)にとどまらず、今の「東芝」という会社の形、ガバナンスは大きく変わらざるを得ないだろう。原発も他社との再編の動きが加速する可能性が高い。

最終更新:1/12(木) 14:10

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