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世界のBOSEも自動運転に参入!音響メーカーが革新技術を量産化へ

オートックワン 1/12(木) 19:21配信

BOSE(ボーズ)といえば、クルマ向けの高級カーオーディオのイメージが強い。また、飛行機のなかで静かな空間を作り出してくれる、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンやイヤフォンが世界的に人気が高い。

BOSEの自動運転向け革新技術デモの様子

そのボーズが、自動運転向けの開発を進めているが、最新動向をラスベガスで体験することができた。これは、CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)の開催に関連して、ラスベガス市街地に独自会場を設けて行ったものだ。筆者は昨年に引き続き、2度目の参加となった。

参加者は、一部のメディアや、自動車メーカーの幹部や開発関係者が主体。現行のカーオーディオシステムと、その進化についての紹介はもちろん、ボースがこれから開発に注力するビジネスのイメージを実体験できるさまざまな仕掛けがあった。

今回のメインテーマは、「Beyond Sound〈ビヨンド サウンド〉」。音響を超える新たなる世界へ、という意味が込められている。

そもそもボーズは、工学系で世界トップレベルの、マサチューセッツ工科大学(MIT)の電気工学の教授だったアマー・ボーズ博士が1964年に設立した企業。それまでの音響システムの常識を覆す、新商品と次々と世に送り出してきた。

そのなかで、1980年代初頭、ボーズ博士が自動車用サスペンションの改良を目指す「プロジェクト・サウンド」を立ち上げた。その研究成果として、日本ではほとんど知られていないが、「ボーズ・ライド」という商品がすでにアメリカなどで販売されている。

対象となる車両は、大型トラック、トレーラー、そして電車だ。

今回、それら3つの目的に対応した室内デモンストレーションを体験した。上下動に対する振動を緩和するため、音響のノイズキャンセリングの考え方を応用したものだ。

音も振動も、時間変化に対して波をうつような動きをみせる。その波に対して、位相(波がずれていること)の波を被せることで、波全体の大きさが小さくなるというものだ。

今回のデモでは、「ボーズ・ライド」の有り無しを体験したが、有りの場合、シート自体の振動が減り、床が動いている印象になった。その場合、目線の高さの位置の変化が少なく、疲れが少ないと感じた。

次に、今回初登場となった縦方向だけではなく、ロールやピッチングなど、前後方向の揺れにも対応した最新型「ボーズ・ライド」の室内デモを体験。トラクターや、大型ピックアップトラックでの走行風景を大型スクリーンに映し出し、それに「ボーズ・ライド」が連動する仕組み。ユニバーサルスタジオなど、アトラクション施設になるような雰囲気の最新機器だ。

感想としては、さきほど乗った縦方向のみの場合と同じく、目線の高さの変化が少ない。と同時に、床の動きが複雑となり、確かに楽なのだが、これが実車になったらどうなるのか、想像することが難しかった。

そして、最後のデモとして、屋外に用意された中型バスに乗った。

乗車前、ボーズ関係者から「これは自動運転を念頭に置いた技術です」と耳打ちされた。

室内には飛行機のファーストクラスのようなシートが4つ。窓はなく、担当のアメリカ人の声がヘッドフォンを通じて聞こえてくる。手元にはタブレットPCがあり、ヘッドフォンからの指示によって、画面操作を行った。

中型バスは、会場敷地内に設けられた、うねりのある路面を、最新「ボース・ライド」機能が有り無しの状態で、それぞれ1回走行する。その揺れの差を「見える化」するために、タブレットPCで、いま乗っている大型バスの輪郭を描くのだ。さらに、その下にある英文を書く。

走行後、ふたつの走行状態での絵を見比べてみると、揺れがどの程度緩和されたかが一目瞭然。屋内でのデモと比べて、床が動く違和感は少なく、これなら普通に乗っていることができると感じた。

かなりお金のかかったデモだが、とても分かりやすく、こうして記事化する際にも読者に伝わりやすいと思った。

「自動運転の時代になると、車内での過ごし方が大きく変わる。乗車員に直接伝わる振動を減らす、こうした技術は量産化の可能性が高い」とボーズは説明する。実際、数社の自動車メーカーが「ボーズ・ライド」の採用にかなり真剣なようだ。

この他、ボーズでは車内の音響システムを使った自動運転への対応として「ボーズ・アウェア」がある。これは、後方からの接近車をドライバーに警告するブランド・スポット・ワーニングなどの警告音を、接近車がいる方向のスピーカーから鳴らすもの。カーナビでの指示でも、左折、右折でスピーカーからの発生する音の位置を変えるなど、聴覚情報をドライバーが直感的に理解できる仮想空間を作り出す技術だ。

自動運転時代の本格到来を迎え、ボーズの革新的な技術開発がさらに進化しそうだ。

[Text:桃田健史]

最終更新:1/12(木) 19:21

オートックワン

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