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虚構新聞「ネットの良識を信頼する」 デマが拡散し、真実が大切にされない時代にジョークは成り立つか

BuzzFeed Japan 1/30(月) 11:00配信

昨今、真実に基づかない作り話を本当のニュースのように見せかける「フェイク(偽)ニュース」や、事実と異なる「誤報」、意図的な「デマ」、根拠すら曖昧な「不正確な情報」がネット上で拡散している。【BuzzFeed Japan / 播磨谷拓巳】

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BuzzFeed Newsが検証したものだけでも以下が挙げられる。一部を列挙。

・大量拡散の「韓国人による日本人女児強姦」はデマニュースか サイトは間違いだらけ
・アパホテル会長の「中国人の予約は受けない」発言、海外メディアの誤報だった
・「マクドナルドの肉の正体が明らかに」の根拠は そもそもの裁判がなかった?

これもごく一部。ネット上には、現在も事実不明確な情報が大量に蔓延している。これらは、有害なものだ。だから、BuzzFeed Newsは地道に検証に取り組んでいる。

一方、偽物の情報でも、楽しくて、喜ばれるものもある。ジョークニュースサイト「虚構新聞」がそうだ。

虚構新聞は2004年3月に立ち上げられた古参のジョークサイト。見た目は通常のニュースサイトに似ており、見出しや記事の書き方もそれっぽいが、中身はすべて嘘。ジョークなのだ。

例えば、「『10桁で終了』 円周率ついに割り切れる 」や「シャープ、゜の売却を検討 経営再建策」など単純に笑えるものから、「橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化」など、政治的な風刺を含んだものもある。

実際にあるはずないけれど、記事として読むと、なぜか一瞬、信じてしまいそうなリアリティのあるネタ。それが虚構新聞の「ニュース」なのだ。

そんな虚構新聞の運営者は、アメリカ大統領選で注目を集め、日本でも増えてい
る「フェイクニュース」や「デマ」について、どう考えているのか。

BuzzFeed Newsは、虚構新聞社主のUK氏(@Kyoko_UK)に聞いた。

騙される側、騙す側。それぞれの問題点

UK氏はフェイクニュース、デマが拡散される昨今の様子を見て、驚いたこと。また予想外だったことを2つ挙げる。

一つは、受け手側の情報を確認する能力「メディアリテラシー」について。

「一つ目は受け手の側について。こんなにもフェイクに騙される人が多いのかということです。ネットの情報を扱う上で『情報の出どころを確かめる』というのは、今時なら小中学生でも学校で習う基本的なことだと思っていたのですが、世代や国籍を問わず、思った以上にソースをチェックをしない人が多いんだな、と」

「SNSが普及したことで、この種のデマはネットの集合知によってすぐに誤りだと判断されて、自浄作用が働くかと思っていたのですが、あまりうまくいっていない印象です。そのうえ、フェイクニュースを拡散した本人が虚偽だと気づいたあとに『でも韓国人ならやりかねない』『日頃のマクドナルドの行いが悪いから』と開き直っているのも少し驚きました」

その上で海外で広まっている「Post Truth(ポスト真実)」という概念について、こう付け加えた。

「一昔前なら“釣られた”自分の未熟さは恥ずべきことだったと思うのですが…。この開き直りが『自分に都合がよければ嘘でも本当でも気にしない』というポスト真実なのかもしれません。そのせいもあって、最近は本紙(虚構新聞)でも政治をテーマにした記事が書きにくくなりました」

ポストとは「~~後」を意味する。真実が大切にされなくなった時代。「虚構」はみんなが信じる真実がしっかりと存在するから、その対比でジョークとして成り立つ。真実が揺らいでしまえば、すべてが虚構となり、笑えない。

UK氏が次に指摘したのは、ニュースの作り手側について。実は、以前からある危機感を持っていたという。

「二つ目はニュースを作る側についてです。以前から本紙を見ながら『個人でここまでそれっぽいサイトが作れるんだから、どこかの会社や技術者が本気になってデマをばら撒くだけのサイトを作ったら大変なことになるかも』という危機感に近いものは感じていました」

「ただ、そんな誰も得しないことを本気でやる理由が思いつかなかったですし、そもそもリスクが大きすぎるから誰もやらないだろうと。読者を楽しませたいなどではなく、一線を超えてまで広告収入が欲しがる人もいるんだなというのも驚きでした」

虚構新聞は先述のように読んで、拡散したくなる「笑える嘘」が多い。

しかし、昨今のフェイクニュースやデマは、個人や企業を陥れるかのような内容のものが主流だ。

虚構新聞も過去に森永やKDDI、シャープなど実在の企業をネタにする記事があったが、実名を使う是非は公共性や風刺性など、時と場合を判断する。「笑える範囲」で留めることに細心の注意を払っている。

UK氏も「企業の方々も好意的に記事を受け入れてくれました。もちろん企業の株価に影響を与えるような『風説の流布』にあたるようなことは書きません」と話す。

この姿勢があるからこそ長い間、ネットユーザーから愛されてきた。

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最終更新:1/30(月) 15:15

BuzzFeed Japan