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3市「実効性ある計画困難」 浜岡原発広域避難

@S[アットエス] by 静岡新聞 2/3(金) 7:48配信

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の地元4市を構成する牧之原、掛川、菊川の3市長は2日、県庁に川勝平太知事を訪ね、浜岡原発の重大事故を想定し、各市が策定することになっている広域避難計画について「(現状では)実効性がある計画を作るのは困難」と述べた。事故時に服用する安定ヨウ素剤の国による配布対象外であったり、避難路が未整備だったりすることなどを理由とし、県に協力を求めた。一方、3市長とともに訪れた立地市の柳沢重夫市長は、本年度内に策定する考えを示した。

 広域避難計画は県が2015年度末に策定した。これを踏まえて浜岡原発から半径31キロ圏の11市町も策定するよう国の指針で義務付けられ、市町が作業を進めている。

 牧之原市は、市内が浜岡原発から半径5キロ圏の予防防護措置区域(PAZ)と、31キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に分かれる。西原茂樹市長は、安定ヨウ素剤がPAZ圏の市民にしか配布されない課題を指摘した。

 掛川市は市内全域がUPZ圏。松井三郎市長は、安定ヨウ素剤が市民に配られないことや、避難時に放射能汚染を調べるスクリーニングに時間を要することを挙げ「責任を持って計画を策定できない」と訴えた。菊川市の太田順一市長も避難経路になる道路が整備されていない点を取り上げた。

 一方、柳沢市長は市内全域がPAZ圏で、全市民が安定ヨウ素剤の事前配布対象になっていることから、予定通り計画を策定する考えを示した。

 4市長は、4市でつくる「浜岡原発安全等対策協議会」として訪問し、川勝知事に避難経路の整備などを求める要望書を提出した。川勝知事は「実効性があり、納得できる計画のあり方を考えたい」と応じた。



 ■避難先市町名 県、公表目指す 年度内

 浜岡原発の重大事故を想定した広域避難計画について、県は本年度内を目標に、市町ごとの避難先市町名を公表する方針で交渉を進めている。

 県が策定した広域避難計画で浜岡原発から31キロ圏11市町の計94万人は、県内市町に加え、事態に応じて関東甲信、北陸、東海地方の12都県へ向かう。避難先市町は約350自治体。本県はすべての自治体を対象に説明会を行い、個別協議も続けている。

 避難所に使用する具体的な公共施設選定や、事前に締結する防災協定の内容など、交渉は詰めの段階だが、相手先によって進捗(しんちょく)状況に差がある。

 県は相手先市町名を一斉に公表した上で、県計画を改定する方針。県内の避難元市町は県計画の改定内容を、各市町計画に盛り込むことになる。県原子力対策課の担当者は「広域避難計画には、避難先市町の確定以外にも4市対協の要望を含め、検討課題がある。国をはじめ関係機関と連携し、実効性を高めていきたい」と話す。

静岡新聞社

最終更新:2/3(金) 7:48

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