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首相 日米FTA容認姿勢 「国益」なら交渉入り

日本農業新聞 2/15(水) 7:02配信

 安倍晋三首相は14日、日米自由貿易協定(FTA)について「決して恐れているわけではない。日本の国益になるのであればいいし、国益にならないものであれば進めない」と語り、国益にかなうと判断すれば交渉入りを容認する姿勢を示した。日米FTAになれば、焦点の自動車をはじめ農業分野でも日本は譲歩を迫られる立場で、冷静な対応を求める声が与野党内に挙がっている。米国は環太平洋連携協定(TPP)以上の市場開放を求める可能性が高いだけに、今回の容認発言で生産現場の不安が一気に高まりそうだ。

冷静対応求める声

 衆院予算委員会で公明党の岡本三成氏に答えた。日米首脳会談では、2国間貿易交渉に積極的なトランプ大統領が、日米FTA交渉を日本に求めてこないか懸念されていたが、安倍首相は「一連の会談で2国間FTAについて「具体的な要請はなかった」と述べた。トランプ大統領は自動車問題にも言及しなかったことを明らかにした。

 ただ、首脳会談では麻生太郎副総理とペンス副大統領をトップにした新たな経済対話を立ち上げることに合意。(1)財政・金融(2)経済協力(3)2国間貿易の枠組みづくり――の3分野で議論し、これが日米FTA交渉の土台になるのではないかとの見方がある。安倍首相は「新たな経済対話の中で、どのような枠組みが日本経済にとって最善であるかを含めて議論していく」とも語り、内容次第で交渉入りも辞さない考えを示した。

 一方、米国の牛・豚肉の生産者団体は日米FTA交渉入りを新政権に要請。TPPの合意内容が不十分で不満だとする農業団体もあり、日米FTA交渉になれば米国がTPP以上の自由化を求める可能性が高い。トランプ政権は自動車関税の撤廃に慎重とみられ、日本は厳しい交渉を強いられると予想される。

 経済対話は、閣僚の承認が遅れているトランプ政権の体制が整えば、始まる見通し。麻生副総理は「少々時間がかかると思う」と述べ、今後協議する項目を検討していく考えを示した。自民党の武藤容治氏らへの答弁。

 安倍首相はTPPについて、首脳会談でトランプ氏に戦略的意義について説明したとし、「米国の離脱表明後も日本がTPPで持つ求心力を生かしながら、今後どのようなことができるか米国以外のTPP参加国とも議論していきたい」と語った。

日本農業新聞

最終更新:2/15(水) 7:02

日本農業新聞