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16年産米 複数年契約3.4倍に 安定取引重視 東北各県伸びる

日本農業新聞 2/16(木) 7:00配信

 2016年産米の複数年契約の数量は54万トンで、前年比3.4倍と大幅に伸びたことが農水省の調べで分かった。産地主体の需給調整に転換する18年産を見据え、販路を確保した上での作付けを広げようと、東北を中心とする産地が積極的に契約を推進した。一方、複数年契約に取り組んでいるのは18道府県で、それ以外はまだ実績がなかった。同省は米の需要減が続く中で安定した販路を築くことが不可欠として、複数年契約の拡大を呼び掛けていく方針だ。

  同省はこれまで、播種(はしゅ)前・収穫前契約と、複数年契約を合わせた事前契約全体の数量は公表してきたが、複数年契約を抜き出して公表するのは今回が初めて。JA系統や他の出荷団体、業者からの報告を基にまとめた。18年産の生産調整の見直しを前に、複数年契約への産地の機運を高める狙いだ。

 複数年契約は、14年産は30万トンだったが、15年産は16万トンに減少。14年産が供給過剰で卸側が在庫を抱え、複数年契約に消極的だった。

 一方、15年産では飼料用米が拡大するなど、生産調整の見直しに向けた産地側の動きが本格化。生産数量目標を初めて下回るなど需給が改善したことで、16年産では必要量を前もって確保しようという卸側の動きも強まり、産地側の積極姿勢と相まって複数年契約が一気に進んだ。

 16年産の集荷量に占める複数年契約した米の割合を都道府県別に見ると、最も高いのが岩手の62%で、滋賀が62%(小数点以下で2位)、宮城が56%と続く。15年産と比べ岩手、宮城とも45ポイント増と大幅に伸びた。青森は22ポイント増の25%、秋田も23ポイント増の24%と、東北各県の伸びが目立つ。

 同省は「東北各県は主産地ながら他地域より収穫時期が遅く販路確保に苦しむだけに、JAなど出荷団体が複数年契約に意欲的に乗り出している」(農産企画課)と指摘する。

 一方、16年産で複数年契約の実績があったのは18道府県にとどまる。それ以外の西日本を中心とする産地では、複数年契約なしでも売り切れるといった理由から、実績がない。同省は「米の需要減は続いており、販売環境は厳しくなる見通しだ。複数年契約の推進を中心に販路を確保した上で作付ける対応が重要になる」(同課)と訴える。

日本農業新聞

最終更新:2/16(木) 7:00

日本農業新聞