ここから本文です

<東芝>東証2部降格の公算大きく 厳しい市場の見方

毎日新聞 2/17(金) 21:02配信

 経営再建中の東芝に対する市場の見方が厳しさを増している。半導体事業の売却を先送りすることで、2017年3月期末の債務超過や東証2部降格の公算が大きくなり、市場では株価の下落が止まらない。不正会計問題を受けた内部管理体制の改善が進まなければ上場廃止となる恐れもあり、苦境が深まっている。

 17日の東京株式市場で、東芝の株価は4日続落。「再建への道筋が不透明さを増している」との懸念から売り注文が膨らみ、下げ幅は一時12%を超えた。終値は前日比18円70銭(9.2%)安の184円。米原発事業での新たな不正疑惑を公表する前の13日から65円80銭(26.3%)下落し、約11カ月半ぶりの安値となった。

 東芝は、米原発事業に伴う損失が7125億円に達し、16年末時点で1912億円の債務超過に陥る見通し。資金調達のため半導体事業の一部売却を決めたが、交渉は難航。3月末を目指した売却完了は4月以降に遅れる見込みだ。3月末に債務超過を解消できなければ、東証の規定で2部に指定替えとなる。

 2部に転落すると、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの構成銘柄から外れ、これらの値動きに連動した投資信託などの買いも無くなって、株価は下落しやすくなる。みずほ証券の永吉勇人氏によると、指数に連動して機関投資家などが保有する東芝株は約3億8400万株で、発行済み株式数の9%を占める。「1部と2部では投資家の評判が違う。業績が回復しても2部のままでは資金が集まりにくく、求人などにも影響が出そう」(電機アナリスト)との指摘もある。

 2部に降格しても、債務超過を解消し、一定の基準を満たせば再び1部昇格への道は開ける。ただ、「直近5年間の有価証券報告書に虚偽記載がないこと」との要件もあり、不正会計問題が発覚した東芝が昇格を申請するには年単位の時間を要するとみられる。

 東芝は不正会計問題を受け、15年9月に東証から投資家に注意を促す「特設注意市場銘柄」に指定された。内部管理体制の改善状況を報告する書類を3月15日にも提出するが、日本取引所グループ傘下の「日本取引所自主規制法人」は厳格に審査する構え。改善が不十分と判断されれば、1部への復帰どころか上場廃止となる。【和田憲二、片平知宏】

 ◇キーワード【東証2部】

 日本取引所グループ傘下の東京証券取引所が開設している主に中堅企業向けの市場。上場するには株主数や時価総額などの基準を満たす必要があり、17日現在531社(うち海外1社)が上場している。より知名度や社会的な信用が高く大企業を含む2005社(同4社)が上場する1部に次ぐ位置づけ。未上場企業や他の取引所に上場する企業が新規上場したり、新興企業向けの東証マザーズ市場などからステップアップしたりするケースが多い。

 東証のルールでは債務超過となった1部上場企業は2部に指定替えとなり、2016年8月1日付でシャープが降格した例がある。この場合、2部降格後も債務超過が解消しなければ上場廃止となる。

最終更新:2/18(土) 0:21

毎日新聞