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消費者物価急騰におののく韓国…政策目標達成も「庶民は死んじゃう」「既にスタグフレーション」の悲鳴

産経新聞 2/17(金) 11:45配信

 景気後退と物価上昇が同時に発生する「スタグフレーション」の危機に、韓国経済が見舞われている。韓国統計庁が2日発表した今年1月の消費者物価指数は前年同月比2.0%増の102.43と急激に上昇した。物価上昇率が2%台となるのは2012年10月以来、4年3カ月ぶりの高い水準だ。中でも生鮮食料品の値上がりを受け、国民食ともいえるのり巻き(キムパプ)やラーメンなどファストフードの価格が約4~7%程度上昇し、消費者の財布を直撃。ネットでは「政策目標達成で、庶民は死んじゃうよ…」との嘆き節も聞こえてくる。

 ■外食価格、庶民を直撃…鳥インフルが拍車

 「外食物価高騰、庶民の負担に」

 聯合ニュースや中央日報など大手メディアは1月の消費者物価指数について相次いでこう報じた。のり巻きの価格が前年同月比7.6%上昇となったほか、焼酎(7.6%)▽ラーメン(4.5%)▽カルビタン(4.2%)▽焼肉(3.2%)▽ちゃんぽん(3.1%)-など、消費者が気軽に楽しめる軽食分野が軒並み、大きく値を上げたからだ。

 のり巻きやラーメン、おでんなど、こうした料理の多くは、「粉食店」という韓国式軽食堂で販売されている。客単価が5000ウォン(約500円)前後で、ひとまず満腹になる粉食店は、日本で言えば牛丼チェーンのような位置づけだ。

 ただ昨秋、粉食店の全国チェーン大手が8年ぶりに価格改定を行い、1本1500ウォン(約150円)だったのり巻きが2000ウォンに値上げとなったと報じられた。

 さらに約3300万羽が殺処分となった韓国の鳥インフルエンザによる鶏卵や卵加工品の価格高騰が、外食値上げに拍車をかけたという。1月の消費者物価指数でも、卵の価格は前月比50.8%上昇した。また、他の農産品も昨年末から値上がりが続いており、白菜は11.4%、ジャガイモは26.4%それぞれ上昇したという。

 韓国政府は卵の緊急輸入を行ったほか、白菜や大根などの生鮮品については、政府備蓄の放出などによる価格抑制策に乗り出した。それでも韓国農水産食品流通公社の調査によると、白菜は平年の約2倍近い水準だという。

 ■消費者心理も低迷、スタグフレーション危機も

 食品価格が高騰する一方で、韓国の消費者心理や企業の景気見通しは、過去のアジア通貨危機やリーマンショック時並みに冷え込んでいる。

 韓国銀行(中央銀行)がまとめた1月の消費者心理指数(基準値100)は93.3と3カ月連続で悪化した。リーマンショック後の09年3月(75)に次いで低い水準だ。

 同様に大韓商工会議所が全国の製造業約2400社を対象に行った今年1~3月の景気先行指数は68となり、16年10~12月期から18ポイント悪化した。同指数が60台となるのは、国際通貨基金(IMF)による韓国救済がなされた通貨危機直後の1998年と、リーマンショック後に続き3度目だ。

 こうした状況から、現代経済研究院は5日、韓国経済について「低成長・高物価基調に移行していく可能性がある。国内経済のスタグフレーション突入の恐れも排除できない」とする報告書をまとめた。

 原油価格が上昇傾向にあり、昨年の台風被害などにより穀物など農畜産物価格も上昇した。さらにドル高による輸入品価格の値上がりなどを踏まえ、「悪いインフレ」とされるコストプッシュ型インフレが進むとの見立てだ。悪いインフレが進む中、国内景気の低迷や政治の停滞が続けば、物価上昇と景気後退が同時に発生するスタグフレーションの懸念も否定できない。

 ■ネットで悲鳴「給料も上げて」「20年前も政府は否定」

 韓国銀行は中期の物価上昇率目標として2.0%を掲げている。このため、韓国のポータルサイト大手ネイバーの掲示板には、「祝!政策目標達成…おかげで、庶民は死んじゃうよ」と皮肉な書き込みがなされたほか、「給料もちょっと(物価に)合わせてあげてくれ」と切実な声もある。

 同様に「既にスタグフレーションになっている」「チェ・ギョンファン経済副首相がデフレうんぬんというが、長期低迷、失業率、物価上昇率だけ見てもぴったり答えは出ている」と、厳しい批判の声も少なくない。

 このほか、97年の通貨危機に伴うIMFの韓国救済を踏まえ「IMF救済の直前にも、政府は『通貨危機はない』と説明していた」「IMFの時、外国の機関は事前に警告した。政府と韓国銀行だけはないと主張した」と20年前の国家破綻危機時と、現在の状況を重ねる発言も目立つ。

 トランプ米大統領の就任以降、世界経済の先行きに対する不透明感は高まる一方だ。こうした状況下で、次期大統領をめぐる政争や、慰安婦像にからむ反日活動に政治家の多くが注力する現状こそが、韓国の庶民にとって一番の不幸なのかもしれない。(経済本部 内田博文)

最終更新:2/17(金) 11:45

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