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金正男単独インタ五味氏が会見「真摯な関心を持っていたのは僕だけ」

スポーツ報知 2/17(金) 16:30配信

 マレーシアで13日に暗殺された北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏(45)の単独インタビューやメール対話をまとめた「父・金正日と私 金正男独占手記」(文芸春秋)を2012年に出版した東京新聞編集委員の五味洋治氏(58)が17日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。

▽以下、五味氏が話した要旨

 今回の金正男さんの毒殺については個人的にも非常にショックを受けています。(一緒に会ったことがある)私の妻もショックを受けていて、昨日の夜も何回も泣いていました。本の出版を一番反対したのは私の妻です。それは2011年1月、(マカオで)金正男さんと会った時に妻が同行してくれたからです。当時私は子どもがいませんでしたので、正男さんを取材しトラブルになったとき、行方不明になるとまずいので一緒に行ってくれ、と頼みました。同意して私が取材しているところを写真に撮ってくれました。

 会社(東京新聞)には取材のことは言わず、机の中に手紙を入れて置きました。万が一いなくなったらこのホテルに泊まり、この便に乗り、ここに行く予定だったと書いておきました。正男さんが来ない可能性もあるので来ない場合は観光旅行をしようと思った。私がなぜリスクを負ってまでなぜマカオに行ったのでしょうか。それには私が長年携わっていた北朝鮮報道に対する考え方があります。日本ともっとも敵対している国です。しかし、うわさ話、政府当局者の話が先行し、実名で語ってくれる人がいません。そのため、彼に実名で写真をとってビデオを撮っていいかと確認して、原稿を見せて東京新聞の記事(11年1月28日付)にしました。

■北朝鮮の体制のあり方に批判的

 その後、彼から「本国から警告があった。政治に関する話はしないが、あなたとの交流は続けましょう」というメールが来ました。

 その年の5月、北京で再会し、その後もメールで交流しました。そして12月に正日氏が亡くなり、北朝鮮に対する懸念、不安が高まりました。

 積み重ねた取材を本にしていいか、ということは正男さんから許可を得ています。「ただしタイミングが悪い。今は待ってくれ」と言われたのは事実です。私はタイミング的に微妙な時期だったが、彼の人間性を伝えることこそ、北朝鮮に対する理解が進み、他の国との関係も改善されるという信念のもとに本を出版しました。彼の主張を要約すれば北朝鮮の体制のあり方に批判的だったということです。最初には権力の世襲は社会主義と合わず、指導者は民主的な方法で選ばれるべきだと言っていました。中国式の経済の改革開放しか生きる道はないと言っていました。皆さんがこの発言で暗殺されたとお考えなら、この発言で暗殺されるということに(問題があると)焦点を当てるべきでしょう。

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最終更新:2/17(金) 16:37

スポーツ報知