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東南アジア版チャンピオンズリーグ「ASEANスーパーリーグ」、来年9月開幕か

HARBOR BUSINESS Online 2016/11/23(水) 9:10配信

 東南アジア各国から参加クラブを集める「ASEANスーパーリーグ(ASL)」が、2017年9月の開幕を予定しているというニュースをシンガポールの現地紙が報じ、国内のサッカーファンの間で話題となっている。

「東南アジア版チャンピオンズリーグ」ともいえるASLが発足すれば、総人口6億人以上の巨大新興マーケットであるASEAN全域をカバーすることになり、アジアのサッカーシーンにも大きなインパクトを与えることが期待されるが、先行きはそれほど明るいものではないようだ。

 シンガポールの英字紙「TODAY」によれば、第1回のASLは2017年9月から2018年4月の開催を予定しており、ASEANサッカー連盟(AFF)加盟国から各1~2チームが参加して、10チーム程度で発足することが計画されているという。AFF加盟12カ国のうち、オーストラリアと東ティモールはASL発足に向けた話し合いには参加していないとみられている。

 現時点ではASLへの参加クラブは一切明らかにされていないが、シンガポールからは2012年から隣国マレーシアのリーグ戦に参加して昨年末で解散した「ライオンズXII(トゥエルブ)」を再結成して参戦することが有力視されている。また、ASL発足を準備しているプロジェクトチームが、過去数か月の間にマレーシアやタイの複数クラブと接触しており、フィリピンやインドネシアのクラブとも近く話し合いを進める予定と報じられている。

◆競技レベル向上などの期待が高まるも、課題は山積

 しかし、ASL発足には多くの課題が残されている。参加クラブが国内リーグと並行して戦うAFCチャンピオンズリーグ(ACL)などと異なり、ホーム&アウェーのリーグ戦で争われる予定のASLでは、国内リーグとの掛け持ちは認められない公算が高い。

 そのため、ASLにトップクラブを参加させることは国内リーグのレベル低下につながるとして、ASLへの参加に難色を示している国や、アンダー世代のチームを参加させることを検討している国もあると言われている。当初の計画通りに各国からトップクラブを集めることができなければ、「東南アジア版チャンピオンズリーグ」を作るという目論見は外れることになり、スポンサー獲得などにも影響が出るのは必至だ。

 さらにASL参加クラブは、シーズンを通してASEAN全域を移動しなければならないこともあって、年間700万シンガポールドル(約5億3000万円)程度の予算が必要との見積もりが出されている。ラオスやカンボジア、東ティモールのような経済規模の小さな国々では、国内トップリーグに所属するクラブでも年間1000万円程度の予算で運営されているケースもあり、数十倍の予算が必要となるASLに参加することは難しいのではないかとの懸念もある。

 シンガポールのサッカーファンの間でも、「ASLの運営が成功すれば、国内のクラブに経営や競技レベルなどの点で規範を示すことにつながる」と期待する声がある一方で、「ASLには非常に多くの団体が関わることになり、それぞれが利害を一致させてリーグを継続させることは難しいのではないか」という懐疑的な意見や、「多くの選手がSリーグから離れることになり、シンガポールサッカーのレベル低下は避けられない」と批判する声も多い。

◆実は10年前から予定されていた?

 シンガポールサッカー協会(FAS)の前会長でASL発足のプロジェクトリーダーを務めるザイヌディン・ノルディン氏は、「ASLについて様々な見方や意見があり、反対する人々がいることも承知しいている。しかし、ASEANには6億人以上の人口があり、才能豊かで飛躍を目指している選手が数多くいる。現状ではASEANと世界のビッグリーグの差はあまりにも大きいが、ASLはこの現状を大きく変えるきっかけになるだろう」と発言しており、ASLはシンガポールサッカーの向上にも寄与するとの考えを示している。なおザイヌディン氏は、FASの会長職を今月退任したばかりで、ASL発足後は初代CEOに就任することが確実とみられている。

 ASLの計画が初めて明らかにされたのは、東南アジア地域のサッカーが現在ほどの盛り上がりを見せていなかった2005年までさかのぼる。その後、何度も発足を報じられながら、その度に予定が先延ばしされてきた経緯がある。数々の難問をクリアして、今度こそ開幕までこぎつけることはできるだろうか。

<文・四方 健太郎>

経営コンサルティング会社アクセンチュアの日本法人、中国法人での勤務経験後、サッカーW杯南アフリカ大会に出場した32カ国を巡る「世界一蹴の旅」を敢行し、同名の書籍を上梓。帰国後は、HRコンサルティング・教育研修事業、グローバル人材育成の領域にて、日本およびアジア各国での人材育成に従事。教育やスポーツを通じて、アジアおよび世界の発展につながる事業を行う。シンガポール在住。アジアサッカー研究所代表。

<アジアサッカー研究所>

東南アジアを中心としたアジア新興国と日本およびアジアの国々のさらなる発展のために、各国の取り組みをリサーチし、関係者に共有し、さらなる価値を創造していくことを目的として、人材開発とコンサルティング分野など、日本とアジアのサッカー交流を加速させるプロジェクトとして活動している。http://ja.ifaf.asia/

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:2016/11/23(水) 9:10

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