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貿易のプロが警鐘!危険なヤツは微笑みながら現れる。気をつけろ --- 尾藤 克之

アゴラ 2016/12/24(土) 7:11配信

皆さまは、取り込み詐欺(パクリ屋)を知っているだろうか。代金後払いで注文を出し、商品を受け取るも、代金を支払わずに商品を詐取する手法である。実は、過去に私は取り込み詐欺に遭ったことがある。

取り込み詐欺は新規取引の際に発生することが多い。その会社は実在する大手企業だった。成果物を搾取されたあと見事に踏み倒された。契約書の有無に関わらず、最初から踏み倒そうという意思の前には無力なのだと知った。それ以降は、掛け取引を中止にした。

取り込み詐欺は簡単な手法だ。仕入れはパクるからお金がかからない。「たまたま遅れただけで、ちゃんと商取引をしている」と主張すれば警察も簡単には手を出せない。パクりを詐欺と認定することは簡単ではないのである。

今回は、『個人ではじめる輸入ビジネス』(KADOKAWA)(http://amzn.to/2gjc8wZ)の著者であり、ジェトロ認定貿易アドバイザー(現AIBA認定貿易アドバイザー)として活動をする大須賀 祐(以下、大須賀氏)氏に「詐欺師に合わないための秘訣」を伺った。※ジェトロ認定貿易アドバイザーとは、貿易関連資格ではトップクラスに難易度の高い資格とされている(2008年にAIBA認定貿易アドバイザーに組織変更)。

■危険な予兆を察知せよ

――私たちは、危険な予兆を事前にチェックしなければいけない。「現金取引だから」「紹介だから」「額も小さいから」。このような意識をもっていたら要注意だ。

「最も手ごわい相手は、微笑みかけてくる相手です。以前、次のようなことがありました。ギフトショーの後に彼は、私にアプローチをしてきました。ギフトショーが終わり、結果にちょっと失望していた時(展示会のために準備したサンプルが、納期遅れのために到着せず旧来商品だけで展開せざるを得なくなった)でした。」(大須賀氏)

「そんな時に1枚のFAXが流れてきました。このように書かれていました。『御社の商品にとても興味があったが、お忙しそうにしていたので、声をかけるのを遠慮させていただいた。ついては、カタログ一式を送付いただけないか」という旨のオファーでした。」(同)

――このときは、思わず胸が高鳴ったそうだ。「やっぱり見てくれている人はいる。そう思うと嬉しくなり電話を取った」と大須賀氏は語っている。

「数日後、彼の会社を訪問した私は、その商談に満足しました。事前に信用調査会社で下調べをして、その結果はまずまず。問題はなさそうだと判断しました。支払い条件が、ちょっと気になりましたが、それも調査の結果通り。良しとしなければならないと自分に言い聞かせたのです。」(大須賀氏)

「最初は、小口のほんの数万円のオーダーが、評判がいいという話で次第に大口になりついには売掛金が500万を超えてしまいました。いくらなんでもちょっとおかしいと思い始めました。早速先方の担当者にアポをとりました。支払いの確認をするためです。」(同)

■じっくり時間をかけて交渉しろ

――どのようなやり取りがされたのだろうか。次に驚きの展開が待ち構えていた。

「結局10万円を当月の30日までに支払うことで、とりあえずは合意しました。私はそれでちょっと安心しました。ただし月末まで納品は、控えさせてくださいと念も押しました。これで来月20日に残額の入金が済めば、間違いなくいいお客様になると確信したのです。」(大須賀氏)

「そしてその日が来ました。経理担当の社員から、20日の入金が確認されない旨の報告を受けたのです。典型的な取り込み詐欺でした。まんまとやられました。ある種、鮮やかと言うほかはありません。当時、営業歴15年を誇っていた私がです。」(同)

――それ以来、最初の取引から掛け売りをすることをやめたそうだ。今でも彼の顔を忘れたことはない。にこやかで丁寧なとても感じのいい男に見えたそうだ。

「交渉の相手で怖いのは、笑みを浮かべた相手です。よく言うではありませんか。弱い犬ほどよく吠えるって。それと同じです。怖い顔をしてかみつく相手は、実際は気が弱く、打たれ弱いものです。逆に穏やかでにこやかな相手は、手ごわいものです。」(大須賀氏)

「こういった相手の場合、長期戦を覚悟して、こちらもゆったりにこやかに応対すべきでしょう。時間を気にせずに、後の予定を入れずにじっくり交渉すべきです。」(同)

■本日のまとめ

大須賀氏は本書の前に7冊の書籍を上梓している。そのうち5冊はAmazonランキング総合1位という輝かしい実績を残しているベストセラー作家でもある。しかし自らのことを教育者と称する。作家でも、講演家でも、アドバイザーでもないとし、残りの半生を、綸入ビジネスの優位性と楽しさを伝えていきたいとしている。

「大好きな事をするのは、もっと自分を大切にするということです。私は、仕事とは自分の好きな事で多くの人に貢献することだと思っていますから。ありったけの感謝をこめて!」と大須賀氏は穏やかに語った。

尾藤克之
コラムニスト

尾藤 克之

最終更新:2016/12/24(土) 7:11

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