ここから本文です

箱根の宿 予選会前に駅伝常連校の部屋空けるのが暗黙ルール

NEWS ポストセブン 1/6(金) 7:00配信

 2日間で10区を走る箱根駅伝のなかで、毎年ドラマを生むのが初日の往路ラストを飾る山登りの5区だ。最大の難所といわれ、標高874mの最高点まで九十九折の国道1号線を、芦ノ湖を目指して一気に駆け上がる。

 その往路のゴール、復路のスタート地点となる芦ノ湖のほとりに建つのは、明治元年創業の『ホテルむさしや』。毎年12月から1月までの2か月間は、ホテル前に早稲田大、東洋大を応援するのぼりが上がる。150年近い歴史あるこのホテルは、70年ほど前から両大学の定宿として、山を走るランナーを見守ってきた。

 2009~2012年の4年間、東洋大で5区を走り、4年連続区間賞をとった伝説の“山の神”柏原竜二選手も、このホテルに滞在した。フロントの壁には、宿泊した選手や、監督直筆のサイン色紙が飾られている。4代目の女将・太田敏恵さん(53才)は食事に気を使っている。

「献立は12月のうちに見ていただいて、召し上がれないものを聞いて、最終的に決定します。あくまで旅館なので、旬のものや地場産のものを使ったメニューをお出しします。ただ夕飯はお刺身は控えます。東洋さんには豚汁やかぼちゃ料理を必ずお出しして、逆にきのこ類は消化が遅いから抜いてほしいとのリクエストがあります。昔はね、ゲン担ぎでカツをよくお出ししていましたし、ゲン担ぎでいえば、早稲田さんには、3つの卵を使った目玉焼きをお出ししていたことがあったんですよ。どういうジンクスかはわからないんですけどね、あれ、焼くの、意外に大変なんですよね(笑い)」

 どれだけ努力を重ね、万全を尽くしても、最後まで結果はわからない。だからこそ、箱根駅伝は私たちに熱いドラマを見せてくれるのだろう。太田さんも、たくさんの涙を見てきた。

「途中で気を失ったり、ブレーキがかかってしまったりして、いい走りができず、階段にうずくまって泣いている子もいました。ドア越しに部屋の中から“お前のせいじゃないぞ!”って励ます声が聞こえてきたこともありました。でも、それを見ても何も言えません。私たちがかけられる言葉はないんです。だってみんな、一生懸命やってきたわけですから…」

1/2ページ

最終更新:1/6(金) 7:00

NEWS ポストセブン

Yahoo!ニュースからのお知らせ

Yahoo!ニュースからのお知らせ(3月30日)

  • ITmedia ヘルスケアの配信が終了しました。