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プーチンが「2匹目の秋田犬」を断った理由とは

デイリー新潮 1/6(金) 5:55配信

 たかが犬、されど犬なのである。一連の日露交渉で、注目されたのは、プーチン大統領に贈られていた秋田犬ゆめのお婿さん問題。今回、ロシアに打診するも、あえなく断られてしまった。そこに彼らの打算が透けて見えて……。

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 そもそも、ゆめを秋田県知事がプーチン大統領に贈呈したのは2012年のこと。東日本大震災の爪痕が色濃く残る時期であった。秋田犬保存会の幹部が言う。

「震災の支援でお世話になったお礼でした。さらに今回、日露首脳会談で来日される折、旦那になれる雄犬を贈ろうと考えたのです」

 さる11月21日、保存会会長を務める日本維新の会、遠藤敬衆院議員が萩生田光一官房副長官に申し入れを行っている。官邸関係者が後を継ぐ。

「官邸はロシアとの交渉に乗り出しました。その後、25日に、大統領府から外務省に“どんな犬が用意できるのか”と問い合わせがあったのです。遠藤さんは“ご希望に沿いますよ”と答え、期待が膨らみました」

 大統領は犬好きで知られ、最近ではゆめがプーチンと戯れる写真も公表された。だが、肝心の会談に“婿”の姿はなかった。12月8日、ロシアから断りの連絡が入っていたのだ。実際に贈った双方の首脳のプレゼントと言えば、

「日本はロシアに『プチャーチン来航図』の複製画を贈りました。19世紀、帝政ロシアの提督が日本で津波に巻き込まれ、日本人と船を建造した様子を描いたものです。一方のロシアは、伝統的な湯沸かし器、サモワールを用意しました」(同)

 国際問題研究家の瀧澤一郎氏は、

「日本は日露友好の証という意味を込めているのでしょう。サモワールは1870年製のアンティーク。貴族の家には必ずあり、ロシアでは珍重される富の象徴です。しかし、そこにメッセージはありません。思い入れの深さという点で差を感じますね」

“秋田犬拒否事件”の裏にも思惑が見て取れるという。先の官邸関係者が明かす。

「実は、“今回は断るけれども、話を立ち消えにはしないでほしい”という、大統領府から日本政府へのメッセージがあったのです」

 つまり、プーチンも、まんざらではなかったということだ。

「直前、ロシアは領土交渉に何の進展もさせないつもりでいた。ですから犬を受け取ることで、友好ムードが演出されるのを嫌ったのです。また、断ることで格上であると印象づけることもできます」(同)

 瀧澤氏も指摘する。

「2匹も犬を貰えば、日本のおもてなし外交に巻き込まれる。大統領の警戒心を感じますね」

 1匹の犬の行方が会談の結果を物語っていたのだ。

特集「元KGB『プーチン』大統領に期待する方が大間違い! 新聞が書かない『おそロシア首脳会談』7つの不審」より

「週刊新潮」2016年12月29日・2017年1月5日新年特大号 掲載

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最終更新:1/10(火) 17:17

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