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震災を乗り越えて。ロアッソ熊本の 選手が集う店は「実家にいる気分」

webスポルティーバ 1/11(水) 17:31配信

「J2の味」紀行(2)~ロアッソ熊本

 熊本市、水前寺にある『レストラン喫茶 グルメ』は、J2ロアッソ熊本の選手たちの胃袋を満たしてきた。

【写真】ロアッソ熊本・巻誠一郎「感謝のメッセージ」

「ロアッソランチ」。特製のランチセットはなかなか手強い質と量である。唐揚げ、ハンバーグ、サラダ、お味噌汁、ご飯。若いアスリートたちの食欲をも満たす。

 選手たちのリクエストで生まれたメニューも、いくつかある。

 北嶋秀朗(かつてロアッソでプレーし、来季からトップチームコーチ就任が決定)が考案したカフェオレ「39オーレ」も人気だ。北嶋は氷をかみ砕くのが好きということで、アイスコーヒーを凍らせた氷が入っている。銀の長いスプーンで氷をぐりぐりしながら、コーヒーゼリーとミルクの融合を楽しめる。値段は390円。グラスのデザインも取っ手の上の器が斜めに傾き、なんとも趣がある。

 ロアッソの選手が来るようになったきっかけは、単純だ。

 2012年3月にクラブハウスが完成するまで、ロアッソは練習場を転々としていた。水前寺陸上競技場で練習することもあった。練習後、歩いても行ける『グルメ』に選手たちが通うようになったのだ。

 しかしクラブハウスができるようになっても、気がつくと何人かの選手やスタッフが足を向けている。おいしくて安い。それもひとつの理由だろう。もうひとつ大事なこと。居心地がいいのだ。

<実家でくつろいでいる気分>

 これは選手たちの弁である。

 その『グルメ』も昨年は被災した。4月、熊本では益城町を震源にM7.3、震度7の地震が起きた。県内を走る断層帯が連なって動き、前震でどうにか耐えていた家屋も本震で壊滅的な損傷を受けた。50人が亡くなり、1500人近い負傷者、そして約20万人の避難者を出すことになった。

 自然の猛威は残忍で少しの容赦もなく、県民は忍従を強いられた。ロアッソ関係者も、選手を含めて被災している。避難所で車中泊をする選手が何人かいて、ロアッソはクラブ活動を一旦休止。それでも選手たちは気丈に言い放った。

「できないことを成し遂げることで、県民に元気を与えたい」

 J1昇格に向け、士気を高めていた。

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最終更新:1/11(水) 19:34

webスポルティーバ

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