ここから本文です

驚くほど歯垢が落ちるマイナスイオン歯ブラシの秘密

@DIME 1/22(日) 10:10配信

 某社の電動歯ブラシを使い始めて10年以上が経つ。正直満足しているのだが、「KISS YOU」という歯ブラシを使ってみたら、驚くほど歯がツルツルになったのだ!

 どうやらマイナスイオンの効果らしいのだが……どうしてキレイになるのだろうか? 疑問に思ったので大学の先生に訊いてみた

■先生、なぜマイナスイオンで歯垢が落ちるのですか?

 マイナスイオンが歯垢を落とすなんて信じられない。この疑問を晴らすには大学の先生に教えてもらうのが早い。そこで、東京歯科大学の眞木先生に話を伺った。

--先生、リチウム電池内蔵イオン歯ブラシで磨いたら歯がツルツルになったんです。マイナスイオンって歯垢を落とすんですか?

眞木先生:いえいえ、マイナスイオンが歯垢を落とすわけじゃないんですよ。

 いきなり筆者の勘違いだったのか? マイナスイオンが歯をツルツルにしてくれるワケではないようだが……。

--でも先生、本当に歯がツルツルになったんですよ。

眞木先生:そうですか(笑)。それでは分かりやすいように歯をタテに切ったモデルを使って説明しましょうか。歯には歯髄というものがあって、神経や血管、リンパ管などが通っています。その周りに象牙質があって、その周りを非常に硬いエナメル質で覆っています。

--なるほど、歯ってこんな構造だったんですね。

眞木先生:そして歯垢(デンタルプラーク)はエナメル質の周りにこびり着くんですよ。それを歯ブラシや歯磨き粉を使って磨き落とすんです。

眞木先生:磨き落とした歯垢をうがいなどで口外へ流してしまうのですが、その時に流しきれない歯垢が悪さをします。歯垢とはそもそも細菌の塊(かたまり)なんですね。

--えっ、食べかすではないんですか?

眞木先生:はい。歯垢は食べかすの中で細菌(口腔常在菌)が増殖したものなんです。そして、ブラッシングでエナメル質からはがしても口の中に残っているんですよ。それがまたエナメル質にくっついてしまうんですね。

--つまり、歯垢を歯ブラシで落としただけではダメだと……。

眞木先生:そういうことです。ではなぜくっついてしまうのか? それはイオンが大きく作用しているんです。細菌の表面はマイナスが帯電しています。それに対して歯の表面もマイナスに帯電しているんです。そのままですとマイナスとマイナスが反発して、細菌は歯につかないことになりますよね?

--そうですね。磁石みたいなものですよね。

眞木先生:歯の表面のエナメル質はカルシウムやリンなどからできています。すごく硬い物質なのですが、使っていくうちに表面が摩耗して削れてしまいます。それを補うために唾液(だえき)の中にはカルシウムやリンが含まれているんです。

 カルシウムは二価のプラスイオン(Ca2+)になっていて、そのプラスイオンが間に入ることで細菌とエナメル質がくっついてしまうんです。

--ちょっと難しかったですが、なんとか理解しました(笑)。ということは、歯ブラシや歯磨き粉の性能・品質とは関係ないんですか?

眞木先生:そのようですね。そこでリチウム電池内蔵イオン歯ブラシが効力を発揮するんですよ。歯ブラシの出すマイナスイオンにより唾液が吸い寄せられ、歯垢と歯が電気的に反発して着きにくくするんです。

--どのような検証をされたんですか?

眞木先生:大学生10名を対象として1992年に検証しました。構造が全く同じで一方はマイナスイオンを発生し、もう一方はマイナスイオンを出さない歯ブラシを2種類用意して、被験者にダブルブラインドテストを行いました。3か月間テストを行ったところ、マイナスイオンを発するリチウム電池内蔵イオン歯ブラシを使った被験者は明らかな清掃効果の向上がみられました。しかも、原因菌が多い人ほど効果が高かったのです。

--そうですか。強く磨けば落ちやすいんですか?

眞木先生:ブラッシングの強さ(圧)とは関係ありませんね。ただし、虫歯予防にはフッ素が重要なので、歯垢を落としたらフッ素で歯をコーティングしてあげるとなお、良いと思います。

 頑固な筆者も物理的・化学的に説明をされて納得した。どうやら、マイナスイオンが歯垢を着きにくくするというのは、効果の程度に差こそあれ、間違いないようだ。

 ではなぜ、今までリチウム電池内蔵イオン歯ブラシに出逢えなかったのだろうか?

 その疑問は次章、メーカーの工場訪問で解決することにしよう。

■千葉県の工場でKISS YOUはまじめに作られていた

 眞木先生にリチウム電池内蔵イオン歯ブラシの効果について説明されて、筆者は納得した。しかし、なぜ、今までリチウム電池内蔵イオン歯ブラシに出逢えなかったか? その疑問は解決していない。

 そこで、KISS YOUの製造元であるフクバデンタルの工場へ社会科見学することにした。

 工場は千葉県流山市の、のどかな田園風景の中にあった。せっかくなので、工場の生産ラインを見せてもらうことにしよう。案内は同社の製造部長兼技術課長の栗原さんにお願いした。

 組み立て前の簡単な取り付け作業は、地元のみなさんにお願いしているそう。その行程を終えた歯ブラシに、まずは超音波溶接でメインボディとカバーを溶着する。

 組み立て前の簡単な取り付け作業は、地元のみなさんにお願いしているそう。その行程を終えた歯ブラシに、まずは超音波溶接でメインボディとカバーを溶着する。

 交換式となる歯ブラシは別の機械で植毛される。歯ブラシのヘッド部分には穴があり、金属の平線と歯磨き用の用毛を植えていく。

 KISS YOUにはさまざまなタイプの歯ブラシがあり、極細コンパクトタイプには20穴開いており、1台の植毛機で1分間に36個の生産が可能だ。また11月末に発売されたばかりの極細ワイドヘッドには48穴あり、1分間に17個の生産ができるという。

 本体とブラシが完成したらパッケージングを行う。種類の多いKISS YOU製品なので、パッケージングは職人さんの手で行う。この方が、バリエーションへの対応がスムーズなんだとか。


■電池を使いマイナスイオンを発生する歯ブラシKISS YOU

 ではKISS YOUが実際、どのような原理で歯垢の除去を行うのか、開発部の飯島部長に教えてもらおう。

KISS YOUには、金属のプレートが着いている。そこを使用者が手にすることで微弱電流が通電し、マイナスイオンを発生させる。

--えっ、カラダに電気が流れるんですか? ビリビリしないんですか?

飯島さん:人間のカラダに流れている微弱な電流は200マイクロアンペア前後といわれていますが、それは知覚神経で感じ取れないレベルだそうです。KISS YOUで流れる10~50マイクロアンペア程度の電流では、ビリっとしませんね。

--なるほど安心しました。眞木先生にマイナスイオンが歯垢をつきにくくすると教えていただいたのですが、KISS YOUも同じ原理ですよね?

飯島さん:はい。では、実験モデルでご説明しましょうか。このように歯と歯垢はマイナスに帯電しているので、反発しあっています。

飯島さん:そこへプラスに帯電した唾液がやってくると、本来反発する歯と歯垢がくっついてしまいます。この現象を我々は「架橋結合」と呼んでいます。

--あっ、くっつきました!

飯島さん:このままだと歯垢が歯に着いてしまいますよね。そこにマイナスイオンを発生するKISS YOUを近づけます。すると、唾液を引き寄せるんです。プラスが無くなったおかげで、歯と歯垢がマイナス同士で反発するんです。これを「脱極作用」と呼んでいます。

モデルで説明いただき、KISS YOUの効果がよく分かった。けれど、なぜ今までKISS YOUに出逢えていなかったのか? その疑問は社長の西川さんに訊いてみた。

--西川社長、KISS YOUって以前からあるみたいですが、何で今まで僕らは知らなかったのですかね?

西川社長:手厳しいご質問ですね(笑)。その理由は単純で、お店にあまり置かれていなかったからだと思います。『@cosme(@コスメ)』という日本最大のコスメ・美容サイトでは高評価をいただくなど、使っていただくと効果を理解していただけるのですが、知名度が低かったので店頭での商品数が少なかったんです。

--使うと歯がツルツルになって気持ちいいですよね。

西川社長:そうなんです。なので、アジアでは爆発的なヒット商品になってます。これからはヨーロッパやアメリカでも頑張っていく予定ですし、もちろん日本でも数を増やしていければと思ってます。

 コンビニエンスストアさんにも一部、置かせていただいてますが、スーパーやドラッグストアでお取り扱いいただく数がまだ少ないんです。ここは企業努力で頑張っていきたいです。

--値段が高いからじゃないんですか?(笑)

西川社長:「KISS YOU 極細レギュラー」で450円(税別)、昨年末から新発売した「KISS YOU 極細ワイドヘッド」が550円で、その替えブラシが420円になります。もちろん、普通の歯ブラシよりは高いのですが、電動歯ブラシなどに比べればお買い得だと思いますよ。

--電池はどのくらいもちますか?

西川社長:1日15分使っていただいたら、1年以上もちます。1回3分で1日5回使っていただける計算です。

--そんなに長く、回数も多く磨けません(笑)

西川社長:そうですか(笑)。ではもっと長い間お使いいただけるかもしれませんね。ちなみにKISS YOUは電池交換できません。というのも、歯ブラシなんで毎日使うため、徐々に劣化していくんですよ。特にOリングというパッキンから水漏れするのはよろしくないんで、逆に1年程度で交換していただいた方が、安心してお使いいただけると思います。ちなみに替え用ブラシもありますから、2~3か月くらいで交換してもらうのがオススメです。

 というわけで、KISS YOUを知らなかったのは、単に目にする機会が少なかっただけのようだ。

 値段も手頃だし、人それぞれではあるが筆者は歯垢が落ちて気に入っている。モノは試し。ご存知でなかったアナタ、リチウム電池内蔵イオン歯ブラシを一度、使ってみてはいかが?

文/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)

@DIME編集部

最終更新:1/22(日) 10:10

@DIME

記事提供社からのご案内(外部サイト)

@DIME

小学館

2017年5月号
3月16日発売

定価600円

超進化家電 最前線
マイル交換で年50万円得するカード術
新生活応援 BEST BUY
吉田カバン伝説はこうして始まった