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安倍総理が落ちた罠 ケチがついた日韓合意に「想定内」の強がり

デイリー新潮 1/22(日) 5:57配信

 対ロ外交での失態に続き、日韓合意にもケチがついた安倍晋三総理。腸(はらわた)は煮えくりかえっていることと思ったら、この結果も「想定内」と強がっているそうだ。しかし、そこには大きな「罠」も見え隠れしていて――。

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 その「想定」について、官邸関係者が言う。

「韓国は『合意』の交渉過程でソウル像の撤去努力だけでなく、内々に“新たな慰安婦像は設置させない”と約束していました。朴大統領のスキャンダルが発覚し、『死に体』となった後も“朴政権のうちは約束は守る”というメッセージが届いたのですが、相手は当てにならない国。官邸は合意が破られた場合の対抗措置まで検討していました」

 それが1月6日に発表された、大使の一時帰国やスワップ協議の中断だった。粛々と事後対応を進めた総理は周辺に、

「韓国は国際的な約束をしたんだから、厳しい目に晒される必要がある」

 と話しているという。

「総理が泰然としているのは、日本が韓国に対して道義的に優位な立場にあると考えているからです。合意を守った日本に対し、韓国がこのままダダをこねていれば、国際社会から白い眼で見られるようになる。また、そもそも合意は、対北朝鮮政策で日米韓の連携を深めたいアメリカの強い意向で進められたもの。そのため、韓国はアメリカの不興を買うことになり、二重三重に危機に陥ると考えているのです」(前出・官邸関係者)

 つまり総理は、ボールは韓国へ投げた。後は、困った韓国が音を上げるのを待つだけ、と「想定」しているのである。

■原則を捨てて…

 確かに一理ある考え方に見えるが、

「それは甘い認識です」

 と、拓殖大学国際学部の呉善花教授が言う。

「日韓合意の際、複数の英語圏の大手メディアは“日本が女性を性奴隷にしていたことを認めた”と誤った記事を書きました。つまり、世界では合意によって、日本が女性の人権を蹂躙した酷い国であるという認識が広まっている。そんな状況下では、韓国が合意を破ろうと関心を持たれません。日本こそ非難すれ、誰も韓国は咎めないでしょう」

 また、肝心のアメリカの態度も心許ないという。

「日韓合意を進めたのは、あくまでもオバマ政権。今後トランプ政権が慰安婦問題や日韓関係にどのようなスタンスで臨むかは全く未知数です」(政治部デスク)

 そもそも、理より情の国の韓国が、国際社会から“理性的に”批判されたとして、それが果たして応えるかどうかも怪しいのである。

 京都大学の中西輝政名誉教授が総括して言う。

「合意を結んでしまったことが、そもそもの間違いだったと思います。日韓の間の請求権は日韓基本条約で解決されたというのが、日本が戦後一貫して主張してきた対韓外交の柱でした。その原則を捨て、代わりに守られる見込みもない約束を韓国と結んだ安倍総理が、予想通り裏切られただけ。合意で何を得ようとしたのか少しも理解できません」

 10億円の代わりに得たのは、慰安婦像の増殖と、やはり韓国は信用できないというわかりきった結論。

 費用対効果を論じるのもあまりにバカバカしくて――。一体、日本はいつまで同じ失敗を繰り返すのか。

特集「10億円を払っても『韓国』やらずぼったくり」より

「週刊新潮」2017年1月19日号 掲載

新潮社

最終更新:1/23(月) 18:26

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