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廃棄を余儀なくされたキャベツ1万3千個の大逆転

オルタナ 1/25(水) 6:01配信

でも1万3000個も自分たちで収穫して70キロも離れた市内に毎日軽トラで売りに出るのも大変だ。

「おい植田君、キャベツが高騰して庶民の手が出ない時こそ、大盤振る舞いするのが男の生き様じゃろ」

焼肉大学という焼肉屋を広島市内で経営する山根さんは、頼りになる男として広島では広く知られた総大将だ。

「なるほど確かにそうだ。それに軽トラで街にキャベツを持って行ってチビチビ売っても1万3000個なんて売りさばけるわけないし」

「そういえば、昨夜ワシの恋女房がクレヨンで描いた泣いてるキャベツの絵をフェイスブックに貼って、廃棄予定のキャベツの事を紹介したらすごい反響だったんよ。みんな芸北までキャベツ刈りに行きたいと言うとるよ」

それだ!

キャベツ刈りに来てもらえば収穫する手間はないし、芸北に観光客も呼べる。さらに高冷地野菜がどれほど美味しいかを知ってもらうPRにもなる。

どうせなら車にキャベツ詰め放題のほうが痛快だ。ちょっと参加費を貰って農家の売り上げのタシにしてもらおう。僕らは、帰りにぞうさんカフェに寄ってもらえたらそれでいいじゃないか。街じゃキャベツは600円前後で売られているところもザラなのに、一人50個収穫すれば一個あたり20円。

こうして「車に詰め放題キャベツ刈り、参加費1000円!」というイベントが突如始まった。

さっそくフェイスブックで参加者を募ったところ、驚くべきペースで毎日申し込みが来る。

軍手と包丁を持参して大勢の人たちが芸北までやってきた。ほとんどの人たちがキャベツの収穫は初体験だったが、みんな何とも楽しそう!

さらにライブハウスを経営するルーシーさんが音楽仲間をたくさん連れてきてくれて、キャベツ刈りの後は音楽ライブも開いてくれた。おかげでカフェも盛況だった。

「初めてキャベツを自分で収穫したよ」
「高冷地キャベツは甘くて美味いね!」
「高騰したキャベツにお手上げだったんだけど助かった」
「今回一人で300個ゲットしたよ。みんなに配ったら喜ばれて嬉しかった!」

評判は上々。大いに芸北の高冷地野菜のPRにもなった。

結局200組以上の方々が広島市内はもとより遠くは奈良や岡山、島根などからもやってきた。

廃棄の運命だったキャベツ1万3000個が、わずか2週間であっという間に人々の胃袋に入り、キャベツ畑は廃棄どころかキレイに空っぽ。農家の皆さんには参加費全額を受け取ってもらった。

たくさんの人々が芸北に宿泊してくれて地元のホテルも賑わい、何より野菜がこんなに美味しいのかと喜んでくれる笑顔を見せてもらい、僕らも農家の皆さんも嬉しかった。

廃棄の運命だったキャベツが、一石二鳥どころか何鳥もの幸せをもたらせてくれたのだった。

1万3000個のキャベツたちも満足してくれたかな?


◆植田 紘栄志
ミチコーポレーション 代表取締役
スリランカにて、ペットボトルリサイクルや象の排泄物のリサイクルペーパー「ぞうさんペーパー」、自然素材の手作り画材シリーズ「ワイルドパステル」など、自然と動物と人間が共存するためのビジネスモデルを事業化する。「ぞうさんペーパープロジェクト」が「BBCワールドチャレンジ2006」でグランプリ獲得。出版事業では『ぼくのウンチはなんになる?』(ミチコーポレーション)が第41回造本装丁コンクール展にて「ユネスコアジア文化センター賞」を受賞。現在は広島県北広島町にて「芸北ぞうさんカフェ」を拠点に様々な地域活性化ビジネスを展開中。

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最終更新:1/30(月) 12:38

オルタナ

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