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華麗なる一族、クシュナー家:ジャレッドの場合

2/17(金) 23:10配信

GQ JAPAN

ドナルド・トランプ大統領を取り巻く側近や閣僚の中には、良くも悪くも興味をひく人が少なくない。以前「誰が本当の大統領なのか?」という記事で紹介した首席戦略官のスティーブ・バノンがその代表格だが、ほかにもテレビ番組で次のように発言した人物がいる。

【トークショー司会者がトランプ側近に啖呵を切った動画】

「大統領の権力に楯突くなど言語道断」(政策担当上級顧問でスピーチライターのステファン・ミラー)
「イヴァンカがやってるブランドの商品を買いましょうよ」(大統領顧問のケリーアン・コンウェイ、この発言は「職務規範に抵触する」と批判された)

下の動画は、「大統領の権力に楯突くなど言語道断」と発言したミラーを、トークショーでおちょくりまくる司会のステファン・コルベール。4分02秒から、ミラーの発言に対して「お前はいったい何を言ってるんだ?(=自分のことを何様だと思ってるんだ?)」と啖呵を切り、観客から大喝采を浴びる様子がわかる。

こうした側近たちと一線を画す存在がいる。大統領上級顧問にしてトランプ大統領の娘婿、ジャレッド・クシュナーと、その家族である。今回から前後編に分けて、クシュナー家を取り巻く人々を、三代目のジャレッドとジョシュア兄弟の話を中心にまとめよう。

「イヴァンカの夫」と「カイリー・クロスの彼氏」

「イヴァンカの夫」として有名になった兄のジャレッドについては、日本でもよく知られている。一方、人気モデルの「カイリー・クロスの彼氏」である弟のジョシュアについては、英語でさえ情報が少ない。

クシュナー家の系譜は、米国で一家の礎を築いたユダヤ人移民の祖父を初代として、若い頃から才覚を発揮して成り上がった父のチャールズが2代目、そしてジャレッドやジョシュアの世代が3代目、と考えると分かりやすい。

兄弟は大金持ちの息子であることに間違いないのだが、いわゆる「ええとこのぼんぼん」「商家の三代目(=一族の資産を食いつぶす放蕩息子)」とは正反対の、しっかりした青年実業家である。いや、それどころか“かなりのやり手”という印象だ。

兄のジャレッドは、大学院卒業とほぼ同時に、24歳で家業を継いだ。これには事情があり、やり手の不動産業者だった父が、やりすぎて監獄に入れられることになったからだ。推定18億ドルもの評価額をもつ事業を、急に引き継ぐことになったのだ。

米『ニューヨーカー』誌には、父の会社クシュナー&カンパニーがニュージャージー州からペンシルベニア州にかけて、約2万2000軒のアパートに複数の商業施設、さらに保険会社と銀行も保有していた、とある。この記事によると、一族の難局にあたってジャレッドは「月曜から金曜までは家業の経営と(大学院の)勉強を両立しつつ、週末にはアラバマにある刑務所まで父の面会に出かけていた」とあり、当時は相当苦労したことがうかがえる。

そんなジャレッドが中心となって、親子は2007年に文字通り「一家の命運」をかけた大勝負に出る。資産はほぼすべて処分した上で、マンハッタンの五番街に建つオフィスビル「666 Fifth Avenue」を、単一のビルとしては米国史上最高額(当時)の18億ドルで買収したのだ。

この買収により、それまでは「ニュージャージーが地盤の有力不動産会社」に過ぎなかったクシュナー&カンパニーは、「マンハッタンの一等地に大きなビルを構える一流デベロッパー」の仲間入りを果たした。野球の世界に喩えれば、トリプルAからメジャーリーグに昇格、しかもいきなりローテーション入り、といったところだろう。

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最終更新:2/17(金) 23:10
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