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プレミアムフライデーは日本に定着するのか

東洋経済オンライン 2/20(月) 6:00配信

 2月24日の金曜日から始まる「プレミアムフライデー」を前に、各社の取り組みが本格化している。

【図】ビール半額、旅行も割引・・・企業の主な動き

 プレミアムフライデーとは、原則月末の金曜日は午後3時ごろまでに退社時間を繰り上げ、買い物や観光などの時間を創出しようというもの。主目的は消費喚起で、働き方改革も兼ねている。

■ビール半額、旅行も割引に

 旅行業界では、最大手JTBが2月24日と3月31日(金)を出発日とする旅行プランを販売。枚数限定でツアー代金や宿泊料を割引するクーポンも配布した。当日は、自社とグループ会社の社員にも早い時間の退社を促す方針だ。

 外食業界では、サントリー系列の一部の飲食店が開店時間を早め、15~18時限定で「ザ・プレミアム・モルツ」を半額で提供する取り組みを行う。

 百貨店業界はすでに“セール疲れ”に陥っていることもあり、大々的なセールは行わない。「実施規模が不明で、大掛かりなイベントは正直やりづらい」(大手百貨店の関係者)。衣料品販売も苦戦していることから、伊勢丹新宿本店ではレストラン街で食べ歩き・飲み歩きができる体験型イベントを企画する。

いち早く動いた大和ハウス

 プレミアムフライデーはGDP(国内総生産)の約6割を占める消費が盛り上がらない中、対策を練っていた経済産業省と日本経済団体連合会(経団連)の意向が一致し、昨年の12月に取り組み方針を公表。官民連携の推進協議会も設置された。

 推進役の経団連は、最初は旗振り役を務めるが、基本的には企業の自主的な取り組みに任せる方針だ。大和総研の長内智シニアエコノミストは、「モノ消費の場合、金曜日に買っても土曜、日曜に消費を控える可能性がある。(旅行や飲食といった)サービスなどコト消費を拡大させることが重要」と話す。

■必要な企業の本気度

 プレミアムフライデーが実効性を持つかは、サービスの普及以上に、企業が従業員の退社時間を本気で繰り上げられるかがカギとなる。大手でいち早く動いたのは大和ハウス工業だ。同社の樋口武男会長が、経団連の榊原定征会長から直接要請を受け、偶数月の最終金曜の午後は半日有休とする制度を導入した。パートを含む約2万人の全従業員が対象だ。

 もっとも住宅展示場などで働く営業部門では戸惑いもあった。大和ハウスだけ休みとなれば、機会損失にもなりかねない。一方で、労働環境の改善に真剣に取り組んでいることが世間に伝われば、イメージアップや優秀な人材の獲得などにもつながる。「来場者の案内方法などを工夫して、休めるような努力を求めていく」(人事部)という。

 企業によってとらえ方はさまざま。休日分散を訴えてきた星野リゾートの星野佳路代表は「金曜日から週末に需要を集中させるのではなく、休日を分散させるほうが、日本の観光業には望ましい」と指摘する。プレミアムフライデーは、有休取得が進まず、休日が集中する現状で生み出された苦肉の策といえる。

筑紫 祐二/藤尾 明彦

最終更新:2/21(火) 10:15

東洋経済オンライン