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コミュ症の美少女と遊牧民の娘 「不器用なガール」を描く2作のマンガ CREA 2017年3月号

2/23(木) 12:01配信

CREA WEB

今月のテーマ「不器用なガール」

■【MAN】
学校一の美少女が凡人とタッグ
友達100人、できるかな!? 

 不器用な人は、応援したくなる。高校1年生の超絶美少女・古見さんは、コミュニケーションに苦手意識があり、被害妄想気質で、面と向かっておしゃべりすることが不可能(! )。クラスで隣の席になった超絶小心者・只野くんは、古見さんの震える心に気がついて、思い切って話しかける。でも、普通にはしゃべれないから、黒板を使って会話するシーンが素敵。

「古見さんの夢は?」「友達100人作ることです」「じゃあ僕が1人目の友達になるし、あと99人の友達作りも手伝うよ」。只野くんは、古見さんの通訳兼交渉人となり、クラスメイト達と関係性を結ぶことを試みる。

 古見さんは不器用だけれど、いや不器用だからこそ、自分にはないものを持っている、他者との出会いを求めている。只野くんを盾にしつつ、未知なる他者にずんずん向かっていく、古見さんを応援したくなる気持ちの中にはきっと、彼女に憧れる気持ちもあるんだろうな。

『古見さんは、コミュ症です。』(既刊2巻) オダトモヒト

学校一の美少女で「神」とあがめられる古見さんは、極度のコミュ症だった……。超絶小心者ながらも、自分と似た匂いを察知した只野くんは、古見さんの気持ちを理解し友達作り計画を手伝うことに。ところがこの学校、奇人変人揃いで……。『週刊少年サンデー』連載中。
小学館 429円

■【WOMAN】
親が選んできた相手を
自分で選び直していくプロセスが魅力

 不器用な人は、かわいい。

 19世紀の中央アジアを舞台に、親が決めたいいなずけの元へと嫁いでいく「お嫁さん」達のドラマを紡ぐ連作集『乙嫁語り』。8巻、9巻でヒロインとなったパリヤは、結婚を夢見る元気娘だ。

 いっつも言葉足らずで、そのことに自分で気づいて悩んでいる時はしかめっ面で、ワガママだと思われがち。つまり、とっても不器用な女の子(手先も不器用)。ようやっと親が結婚相手にと見つけてきてくれた隣町の少年ウマルのことを、実はとっても気に入っているのに、邪険にしてしまう。極度の恥ずかしがり屋だから、「好き」なんて絶対言えない。「私もう一生結婚できないんです!」。

 そんなパリヤが、焼きたてのパンや昔から受け継がれてきた恋の歌で、ウマルに思いを伝えようとする。まっかっかな顔で。それが、伝わる。コミュニケーションに一番大切なのは、言葉ではない。相手に伝えたいと願う、思いの熱さなのだ。

『乙嫁語り』(既刊9巻) 森 薫

物語の舞台は、ロシアに支配される前の19世紀中央アジア、シルクロードの世界。遊牧民の娘で20歳のアミルは、都市生活を送る12歳の少年カルルクの元へと嫁ぐが……。8巻、9巻で登場するパリヤは、第5の乙嫁。アミルとの交流も読みどころのひとつ。『ハルタ』連載中。
KADOKAWA 620円

吉田大助

最終更新:2/23(木) 12:01
CREA WEB

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CREA

文藝春秋

2017年9月号
8月7日発売

定価780円(税込)

100人の、人生を豊かにする1冊、1曲、1杯
本と音楽とコーヒー。

岡村靖幸×ほしよりこ
高橋一生「ひとり、静かな生活」

ほか