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「労働者をダシにするな!」日本のものづくり最前線からトランプ大統領へ「NO!」〈AERA〉

dot. 2/27(月) 11:30配信

 ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に就任して約1カ月。新大統領は意に沿わない企業やメディアをツイッターなどで厳しい言葉で恫喝してきた。グローバル企業は戦々恐々としている。トランプ政権で世界はどう変わるのか。AERA 2017年2月27日号では、「トランプに勝つ日本企業」を大特集している。

 世界が本当に見えていますか?──日本の中小企業の担い手らは、トランプ米大統領の経済政策を懸念する。約50年間町工場で働きながら、執筆活動を続けてきた作家の小関智弘さんと一緒に、日本の「ものづくり」を支えてきた担い手らに話を聞いた。

*  *  *
 北風にまじってかすかに工作機械の稼働音が耳に届いた。

 2月中旬。日本の「ものづくり」を支えてきた東京都大田区を、作家の小関智弘さん(84)の案内で歩いた。小関さんは高校卒業後、旋盤工として同区内の町工場で約50年間働く傍ら執筆活動を続けてきた。

 京浜急行の電車からバスに乗り継いで臨海部へ。小関さんと待ち合わせた停留所で降りると、一帯は町工場が連なる異空間だった。独特のたたずまいに目を奪われていると、小関さんがこうつぶやいた。

「今は最盛期の3分の1。ずいぶん寂しくなりました」

●お互いさまで発展

 大田区の工場数は1983年の約9200カ所をピークに、現在は約3500カ所まで減少している。

 小関さんに導かれ、「いわき精機製作所」の作業場をのぞかせてもらった。同社は創業40年目。家族だけで営む典型的な町工場だ。24坪の作業場は工具や精密機械で足の踏み場もないほど。そのほぼ全てに試行錯誤を重ねた小宮秀美社長(67)による独自の改良が施されている。

 小宮社長はこう言う。

「産業はお互いさまで成り立つもの。ものづくりの現場がまさにそうで、町工場は得意な工程や技術を互いに持ち寄り、発展してきました」

 金型研磨は指先の感覚が命だ。小宮社長の手はごつごつと節くれだち、黒い油が染みついていた。オンリーワンの製品を生み出す金属加工のオールマイティーである小宮社長に、米国の製造業復活を唱えるトランプ大統領はどう映っているのか。

「トランプさんの過激な言動は敵・味方がはっきり分かれてしまう。あれでは国内外で協力関係が保てなくなって、産業の衰退につながってしまうのではないですか」

 トランプ氏は選挙期間中、「米国にいるメキシコ人の多くは犯罪者で強姦犯だ」「ムスリム(イスラム教徒)はその信仰のみを理由に入国を禁止するべき」などと発言。米国社会のヘイトクライム(憎悪犯罪)急増も報告されている。

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最終更新:2/27(月) 12:28

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