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学校教育をめぐる誤解と謎(21)  ―遠足解散後の事故は学校の責任? 「学校管理下」の範囲とは

2/28(火) 12:19配信

教員養成セミナー

■ 遠足の“あるある”
 全国津々浦々、どの学校でも行われている遠足。多くの子供たちにとっては、1年で最も楽しみな学校行事の一つです。動物園に行ったり、山に登ったり、広場でレクリエーションをしたり…。“行く所”や“やる事”は、今も昔もほとんど変わっていません。

 遠足の“あるある”について人と話すと、よく出てくるのは「おやつ」の話です。「おやつは300 円まで」と先生に言われ、「バナナは入るんですか?」と子供たちが返す。そんなやり取りがあったという人は多いようです。

 もう一つの“あるある”は、遠足が終わった後の校長先生の一言。
「家に着くまでが遠足です。」
 こう注意を促された人は多いと思います。

 実を言うと、校長先生がこう話すのには、きちんとした理由があります。一つは、遠足で気分が浮かれている子供たちは、帰り道ではしゃいで、事故に遭うケースが多いから。そしてもう一つは、下校途中で起こる事故は学校の責任範囲、すなわち「学校管理下の事故」という扱いになるからです。

 遠足は、学校教育上、「特別活動」の「遠足・集団宿泊的行事」(学習指導要領)に当たり、歴とした教育活動として位置付けられます。そして、その行事が終了するのがいつかというと、児童生徒が帰宅した時点です。たとえ、現地解散であっても、家に着く前に起きた事故やトラブルは、「学校管理下」の出来事として、学校の監督責任が問われかねません。そう考えると、「家に着くまでが遠足です」と言う校長先生の言葉にも、納得する部分があります(もちろん、「家に帰った後なら事故に遭ってもよい」とは、どの先生も考えていませんが…)。

■ どこまでが「学校管理下」か
 「学校管理下」で起きた事故で子供がけがをした場合、国の「災害共済給付制度」により、治療等にかかる費用が給付されます。同様に「学校管理下」の教育活動中、暑さから熱中症になったり、漆でかぶれたりした場合も、療養費が給付されます。ただし、いずれも保護者負担の療養費が1,500円以上の場合という制約があります。

 問題はどこまでが「学校管理下」となるかで、これをまとめたのが表になります。これを見ると、授業中はもちろん、休み時間中、放課後、部活動など、児童生徒が学校にいる間は、基本的に「学校管理下」となることが分かります。また、社会科見学や修学旅行など、学校外にいる場合も、学校の教育活動である場合は「学校管理下」となります。

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