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歯と口の健康を維持するために

2/28(火) 11:00配信

月刊糖尿病ライフ さかえ

「健口」、すなわち歯と口を健やかに保つことは、糖尿病治療にも大きく関係します。歯科医師の先生に、大切な健口に関するお話をしていただきました。


■ 歯・口の健康づくりの重要性

 国民の歯の健康づくりの一環として8020運動が提言されていることをご存じの方は多いと思います。「80」には“生涯を通して”という意味が込められています。そして「20」は、少なくとも20本以上の歯があれば、ほとんどの食べ物をかむことができる、すなわち食べ物をしっかりと“咀嚼(そしゃく)”しておいしく食べることができるということからきている数値なのです。

 現在進められている国民健康づくり運動「健康日本21(第二次)」の目指す大きな目標には、「健康寿命の延伸」「健康格差の縮小」「生活の質の向上」があります。そして、これらの目標を達成するために、歯・口腔(こうくう)の健康の目標の第1番目には「口腔機能の維持・向上(咀嚼良好者の割合の増加)」が挙げられています。さらに、年代ごとの「歯の喪失の防止」の目標値「80歳で20本以上、60歳で24本以上の歯を有する者の割合の増加、40歳で喪失歯のない者の割合の増加」が示されています。

 図1は、歯の本数別にかんで食べるときの状況の割合(70歳以上、男女合計)を示したものです。20本以上歯がある人の8割以上が「何でもかんで食べることができる」と回答したのに対して、19本以下および歯のない人では5割以下であることが示されています。20本以上の歯があることは、食生活に豊かさをもたらすということが分かると思います。

■ あなたの歯の数 ~現在・将来~

 では皆さんは、自分の歯が何本ありますか。確認しましょう。そして、将来どのようになるのかを予測してみましょう。

 まず、自分の歯の本数(現在歯数)を数えましょう。金属などを詰めた治療済みの歯や、根の上にかぶせてある差し歯なども本数に含みます。取り外しできる入れ歯になってしまった部分や、ブリッジのうち既に抜けてしまった部分など、歯の根のない部分は除きます。さて、あなたの歯の本数は何本でしたか?

 次に、あなたの年齢は何歳ですか? 図2を見てください。横軸は年齢、縦軸は歯の本数を示しています。例えば60歳で現在歯数が26本あったとしたら、50パーセンタイルの線に重なります。これは、同じ年代の人100人中50番目であることを示しています。60歳で28本あったら、25パーセンタイルの線に重なりますので、現在歯数は100人中の上位25番目ということになります。

 さて、次に、重なったパーセンタイルの線を右方向、すなわち歳をとっていく方向へ進めてください。次第に現在歯数が少なくなっていくことが分かります。60歳で現在歯数が26本の人が、今までのままのお口のお手入れ状態であったら、80歳になった時には「何でもかんで食べることのできる」最小限の本数である20本の歯が何とか残っていることが予測されます。これはあくまでも、今までのお口のお手入れ状態のままであったらと仮定した場合です。
次回は、予測される線よりも上に行くため、すなわちお口のはたらきを維持・向上し、現在歯数を保つために重要なことをお話しします。


日本歯科大学生命歯学部衛生学講座
福田 雅臣(ふくだ・まさおみ)

※『月刊糖尿病ライフさかえ 2016年11月号』
「いつまでも健口生活 第1回」より

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時事通信出版局

2017年8月号
(第57巻・8号)

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