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「トランプ疲れ」のアカデミー賞? TV視聴率は最低レベルに

2/28(火) 17:30配信

Forbes JAPAN

今年のアカデミー賞授賞式のテレビ中継の視聴率は過去9年間で最低となった。

2月26日の第89回アカデミー賞の中継は全体平均で3290万人に視聴され、視聴者数は前年から13%下落した。18~49歳の視聴率は9.1%だった。昨年のアカデミーは3420万人が視聴し、18~49歳の視聴率は10.5%だった。



今年はグラミー賞もゴールデングローブ賞も視聴率を伸ばしており、アカデミー賞の視聴率も高まると見られていたが、期待が裏切られた形だ。

司会のジミー・キンメルはオープニングで「今や225の国々がアメリカを憎んでいる」とドナルド・トランプを批判したほか、受賞者の中からも反トランプ的発言が多くあがった。しかし、政治的空気の高まりは現在の分断化したテレビ市場の追い風とはならなかった模様だ。

視聴率調査企業のSamba TVの担当者は次のように分析する。「共和党支持者が好むFox Newsの視聴者に関して言うと、昨年のアカデミーを観た人々のうち、今年もアカデミーを観たのは42%だった。そして、彼らは番組で政治的議論が高まった瞬間にテレビを消した。消えた視聴者の半分以上がFox Newsを常に観ている層だった」

また、興行成績の良い作品が最高峰の作品賞を受賞しなかったことも視聴者離れにつながった。作品賞は貧しい黒人青年の成長を描いた「ムーンライト」に贈られたが、この作品の興行収入はわずか2200万ドルだ。それに対し、作品賞の大本命と期待された「ラ・ラ・ランド」の興行収入は世界で3億7000万ドル(約416億円)に達しようとしている。

一方でケーブルテレビ契約を解約する「コード・カッティング」の流れも、毎年の視聴率の減少を招いている。eMarketerのデータでは米国成人の5人に1人が今年、伝統的な有料TVを観なくなり、170万人が今年ケーブルや衛星テレビの契約を解除するという。

ツイッター上でのアカデミーに関する投稿数も前年には及ばなかった。午後5時30分から午前1時の間で、ハッシュタグ#Oscarsの投稿数は1470万件だったが、前年は2420万件だった。投稿数が飛躍的に伸びたのは、作品賞の受賞作に誤って「ラ・ラ・ランド」が挙げられた瞬間で、100万を超えるツイートが発生した。

また、司会のジミー・キンメルが番組内でスマホを取り出し「ヘイ、トランプ起きてるか?」とツイートしたところ、授賞式の終了時点で21万回以上リツイートされ、アカデミー賞の歴史始まって以来、最もリツイートされた投稿となった。

総じて言えば今年のアカデミーは「視聴者のトランプ疲れ」に襲われたようだ。そして、ツイッターだけはその被害をのがれようとしているのかもしれない。

Madeline Berg

最終更新:2/28(火) 17:30
Forbes JAPAN

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